2019/7/13にデスノート新作読切<aキラ編>のネーム版がジャンプ+にて公開されました。
同時に2008年掲載の読み切り<cキラ編>も公開されています。
どちらも期間限定とのことです。

<cキラ編>は本編に比べてイマイチな印象を当時感じたのですが、<aキラ編>は本編に負けず劣らずの出来でめちゃくちゃ面白かったです!
ラッキーマン風の大場先生版のネームも見てみたいですね。

連載当時、誰もが「もし自分がデスノートを持ったら」という妄想をしたと思いますが、今作は「もし新作読切の内容が実際に起こったら」という妄想が捗る作品となってます。

色々考えてたら頭の中がごちゃごちゃしてきたので、整理するために個人的なメモとしてまとめておきます。

ちなみに、私は本誌連載、単行本、アニメ、映画(邦画)、改変ドラマ版を見たくらいの一般的な知識しかなくルールの詳細等はwikiで調べました。デスノートガチ勢からするとお粗末な内容かもしれません。
また、ネーム版の描写に基づいた考察なので完成原稿になったら変わってるかもしれません。

1.時系列

<掲載年>と物語中の年を記載。

<本誌連載:2003~2006年>
 L編:2003~2004年
 ニア編:2009~2010年、キラ崇拝描写2011年

<本誌掲載読切:2008年>
 cキラ編:2013年

<新作読切ネーム:2019年><SQ掲載読切:2020年>
 aキラ編:2019年

FBIと対決した2003年から16年も経過している。確かに今となっては不可能な方法も多そう。

2.見どころ

・誰もが妄想したであろう「デスノートを使った金儲け」を人を殺さずに実現している。
・100%バレない方法で「デスノートを売ることに成功」している。
・L(ニア)が初めて負けた。
・デスノートに新ルールが追加される際の描写。
・令和ネタが盛り込まれてる。
・相変わらずリュークが可愛い。

但し、作中のデスノートの売買は「キラが存在した世界」だからできたものなので、現実世界で売買するには本物であることを示すための殺人は避けられない気がする。
ちなみに私自身は読みながら仮想通貨を使った入金を予想したが外れた。

3.気になった点

●死神界でのデスノートの価値

<cキラ編>の描写。
デスノートはリンゴ13個と交換で死神大王がくれるらしい。安すぎ汗
死神がデスノートを使ったお金儲けを人間に教えてリンゴを稼ぐということをしないのだろうか。

●知能テスト

知能テストは現在は全国一斉ではなく学校毎の判断により行われている。
また、学校で行われる知能テストはあくまでも「年齢に対する発達度合」を見るためのもののはず。
つまり、学校の知能テストで全国1位だったとしても母数が少ない上に、それがそのまま頭がいいということにはならない。

●所有権の矛盾

デスノートを使わなくても(殺人をしなくても)所有権を得たことになるのはルールにも記載があり問題ないが作中で矛盾が生じている。
wiki記載ルール。

所有権を持たない状態でデスノートの記憶を取り戻すには、使用したことのあるデスノートに触れるしかない。ただしふたたび所有権を得ない場合は、ノートを離すとふたたび記憶を失う。

2017年にミノルが拾ったので所有権はミノル→所有権放棄&記憶消去はOK。
2019年にデスノートが触れた瞬間にミノルの記憶が戻ったがデスノートはリュークが持っている=死神が持っていてもデスノートに触れただけでミノルに所有権が移ったということ。

一方、大統領も同様にリュークが持った状態でデスノートに触れている=所有権が大統領に移らないとおかしい。
「受け取らない」で所有権を放棄したのであれば大統領の記憶(リュークと会話した記憶)も失うはずで矛盾している。

●2年待った理由

作中で明確な説明がない。
ミノルは中学3年生→高校2年生となるがこれは関係なさそう。
この期間に口座を作ったというのはあるかもしれないが、中学3年生でもどこかしらの口座を持ってるはずで、持ってる銀行口座に合わせた対象者の絞り込みをすればいいだけ。
有力なのは、ミノルが「死神がちゃんと約束を守るのか試した」というところか。

[20/2/5追記]
SQ掲載版を読んで気付きましたが、中学3年の時は「リュークと一緒にいるところが監視カメラに映っている可能性」を考慮して2年待ったのだと思いました。

●Lのコメント

デスノートの売買自体はLにとって罪に該当しないらしいので世間に対するコメントがないのはOK。
が、世間からLのコメントを求める描写がなかったのは気になった。
また、「アメリカに住んでるから」という理由でアメリカ政府からのデスノート奪還を断ったのがよく分からなかった。
アメリカ敵対国に住んでるならともかくアメリカに住んでるからデスノートの脅威はないということか。

●受け取り対象

10兆ドルの受け取り対象

日本のヨツバ銀行に普通口座を持ち東京都内に戸籍のある2019年5月24日までで60歳以下の人

5月24日に条件提示され5月27日時点で各個人の残高が増えている描写がある。
等分するのはアメリカなのだから「東京都内に戸籍のある人」の判別は困難。
まあこれは厳格なルールではないので、おそらくヨツバ銀行(及び日本政府)に協力してもらいデータベースで「最新住所が東京都内の人」で判断したと推測。
とはいえ、たった数日で対象者に等分振込するのは無理な気がするが。。

この世界においては、「2019年5月24日に61歳になった人」と「東京に住んでるのに県外で口座開設して住所変更してない人」から大量のクレームが発生しただろう。

●最初から60歳以下で計画したのか?

作中では受け取り対象者はおよそ100万人と描写されている。
10兆ドルで落札されたため一人10億円となったが、仮に1兆ドルだった場合は当然一人1億円になる。

参考までにヨツバ銀行のモデルであろう三菱UFJ銀行の国内個人の口座数は4000万口座。
国内人口の約7%が東京に集中してるので、東京の口座数は4000*0.07=280万口座。
国内人口の約60%が60歳以下なので、280*0.6=約170万口座。

ミノルは「60歳以下」ありきではなく「一人10億円」を狙ったと考えるのが自然なので、落札金額次第では受け取り対象を絞った可能性が高いと思われる。
当然その場合は特定されるリスクが上昇する。

●10兆ドルの送金

個人間の送金なら一方の残高が増えもう一方が減るという数字だけの処理で済む。
対して国家間の場合どうなるのかよく分かっていない。
日本(ヨツバ銀行)の残高が10兆ドル増えるのはOK。アメリカ側は連邦準備銀行の残高が10兆ドル減ったと考えるのが自然か。

参考までに1兆ドルの物理的な大きさがイラスト化されていた。物理的な紙幣の送付は行っていないはず。

●税金

一般贈与の税率は「3000万円超に対して55%」
10億円の受け取り対象者は簡単に政府に特定されるので漏れなく贈与税が徴収される。
単純計算で10兆ドルの半分を超える約550兆円が税金として日本に納められる。
これによりしばらくは社会保障が充実することだろう。

中高生が贈与税にまで頭が回るのか微妙な所なのでミノルにとって贈与税は計算外だったと思う。しかも手元に残る4億5千万円もバブルにより価値が下がるので実質的には生涯賃金以下になりそう。

●日本経済

国家間ならともかく個人に送金されたのでまず紙幣自体を大量に発行する必要がある。
また、以下の流れで大規模なインフレが発生する。

高くても物が売れるので物価が急激に上昇

10億円受け取った人が仕事を辞め人手不足による賃金上昇

物が売れた企業の業績急伸によりさらに賃金上昇

これが関東圏から順次全国に拡大。
バブル=給与も物価も上がるものなので「令和バブル」「キラバブル」の一言で一応は説明されている。

●アメリカ経済

10兆ドル失ったアメリカの経済はどうなるのか?
アメリカの2018年国家予算は4.4兆ドル。デスノート購入により約2年分以上の予算が吹き飛んだことになる。
金額が大きすぎて正直分からないところではあるが、おそらく公共事業は全て停止され、最低限の社会保障だけの運用となり一時的な不景気が訪れるものと思われる。

とはいえ、デスノート所有国として(実際は持ってないが)各国と有利な取引ができるようになるので、すぐにいつものアメリカ経済に戻る気はする。特に日本に対しては強気で色んな交渉ができると想定。

●世界の反応

作中では競りに負けた中国からのコメントがなかった。
また、他の国からアメリカに対する抗議のような声が上がる描写が欲しかったところ。
同様にアメリカを崇拝する人も出てくるはず。

●追加された新ルールの適用時期

作中では売買成立後に「デスノートの売買禁止」ルールが追加されたように描かれており、本作に対する後出し批判もある様子。
が、実際は「オークション成立直前」に別の死神ジャスティンが来て「死神大王が呼んでる」と伝えているのでルール追加はその際には行われてると考えるのが妥当。

つまり、新ルール追加(この時点から有効)→オークション(売買契約)成立→デスノートの受け渡し(売買)であって、ちゃんと売買する前にルール追加されていて単にミノルとリュークが新ルールを知る術がなかったというオチ。
死神からすれば人間の都合なんてどうでもいいという描写でもある。
とはいえ、死神大王はジャスティンに新ルールの伝言を頼むくらいすればよかったとは思う。

●「お金を受け取る」の定義

新ルールについて。

人間界でデスノートの売買をした者は死ぬ
売った人間は金を受け取った時
買った人間はノートを受け取った時とする

「ノートを受け取った時」は明確。
「金を受け取った時」というのが曖昧で、ミノルはATMから引き出したとき=現金を手にしたときにリュークに名前を書かれて死亡した。

この描写に従うと口座残高が増えただけではお金を受け取ってないことになり、クレジットカードや電子マネーでの支払いであれば問題ないように思われる。
また、お金ではなく「金塊等との物々交換」や「何かしらの権利との交換」は問題ないということにもなる。
とはいえ、売買判断はおそらくリューク(取り憑いてる死神)がやっているので、リュークがお金を受け取ったと判断したら名前を書かれるのだと思われる。

以上です。
とりあえず思いついたことを適当に書き出しただけなので構成まとまってません。
そのうち綺麗にするかもしれません。
ー2019/7/15

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コメント一覧
  1. NONAME
    TITLE: はじめまして
    DATE: 02/08/2020 20:02:48
    大変参考になりました。

    ひとつだけ気になったので、コメントをさせて頂きますが、リュークがミノルの名前を書いたのは、ミノルがルールによって死亡してからだと推察されます。

    同様に、トラ〇プさんも、ノートを受け取っていた場合、その瞬間に心臓麻痺だったのでしょう。

    • DATE: 02/10/2020 22:44:38
      参考にしていただいてありがとうございます。

      >ミノルがルールによって死亡したからだと推察されます。
      明言されてないので推測ですが、おそらくデスノート世界における死は「寿命(事故等含む)」か「デスノート」によるものしかなくそれ以外の描写はありません。
      なので、「デスノートの売買をしたら死ぬ」というルールは「死神が守るべきルール」であって、最後はリュークが名前を書いたために死んでしまったものと理解しました。
      まあ詳細が解説されてないので個人の一考察と受け取ってください。

      >トラ〇プさんも、ノートを受け取っていた場合、その瞬間に心臓麻痺だったのでしょう。
      これはその通りですね。ただ、受け取らないのに記憶が残ってるのは矛盾かなと思いました。

  2. NONAME
    DATE: 03/24/2021 14:09:23
    実からリュークに所有権を返してから地上に落としてないから人間の所有権は発生しない。
    その状態でアメリカ大統領にノート触れさせればいいのではないでしょうか

    • DATE: 03/24/2021 23:04:29
      >実からリュークに所有権を返してから地上に落としてないから人間の所有権は発生しない。
      つまり、所有権放棄後のデスノートは死神に所有権があり、デスノートをまた地上に落とすまで所有権は死神にあるということですね。しかし、その状態でも一度所有権を持った人間は触れるだけで所有権と記憶が戻ると。

      今回読切とwikiと原作の記憶だけで考察してるので原作でどう描写されてたか曖昧です。
      原作でそういう風に描写されていれば特に矛盾はないということになりますね。

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