中国製のスマホ版『FF15』(FFXV / FINAL FANTASY XV / ファイナルファンタジー15)の新作についてようやく情報がでてきました。
引用記事:파이널판타지 15, 모바일 MMORPG로 개발

続報と言ってるからには当然初報もあったわけで以下が初報記事です
トップ画像はここに掲載されてる天野喜孝氏のコンセプトアートです。
《最终幻想15》新作计划公布 天野喜孝全新创作海报亮相

スマホゲームはもうやらなくなったのですが、それなりに面白そうなので将来的に日本展開がありそうなのか等、色々調べてたら情報がごちゃついてきたのでまとめておきます。

1.発表の時系列

まずは、このスマホ版『FF15』の既報についての時系列です。

2017/12/7 [20/1/9追記]
ロイヤルエディションやPC版、追加DLC発表の前に初報があり、中国のFGFファミリーゲーム会議の場で、「中国向けにカスタマイズされたモバイルFF15」を2019年にリリース予定と発表されました。
時期的には、ポケットエディション配信前ですがそれとは違うものと明言されてます。
また、こちらの記事(ブログ?)にいろいろ詳しく書かれているのですが、パブリッシャーの東方明珠(中国)は中国における『FF15』(本編)の販売のみならず、PS4/XBOX本体の販売も行っているようです。
この件は米国では取り上げられてたようですが、日本メディアは取り扱ってなさそうです。

2019/5/13
中国での天野氏展示会のオープニングセレモニーとして開発発表が行われました。
この時点では、パブリッシャー(運営会社)として東方明珠(中国)が担当し、開発をGaea Mobile(中国)が行うこと、エンジンにUE4が使用されること、スクエニも共同することが発表されてます。
コンセプトアートには「神話の起源」と名付けられているようです。
また、中国以外のメディアでは一切取り上げられている様子はありません。

2019/9/11
Weibo(微博)の公式アカウント(?)にてテストプレイの募集(15人)が行われました。
同時に新たな画像も公開されてます。

2020/1/6
GAEA社のホームページの開発中タイトルにスマホ版『FF15』と新規画像が掲載されていることが明らかになりました。(掲載時期は不明)

画像はページ翻訳かけたもので、英語だと「お楽しみに」部分が「Coming Soon」となっている。

2020/1/7
複数の韓国メディアにてJSC GAMES(韓国)がGAEA社と共同開発していることが発表されました。
この際に、冒頭の引用ツイートに示した平行世界でのモバイルMMORPGであることや新マップ等があることが発表され、新画像も公開されてます。
また、今のところ日本メディアに取り上げられている様子はありません。
JSC GAMESのホームページを見ると、関わり方は不明ですが『FF14』、『ドラクエ11』等スクエニ作品のゲーム開発にも携わっているようです。

各所で指摘されているようにプロンプトがいない。。

[20/1/9追記]
ゲームの概要が発表されて拡散されたためか、本日複数の日本メディアに取り上げられています。
記事中に「グローバル配信」という言葉がありますが、これは米国の業界アナリストのこのツイートに基づいて米国で記事が広まった結果で真偽は定かではありません。
まあ3項で考察してるように日本での配信はあまり期待しない方がいいでしょう。

この項は新情報が出たら追記予定です。

2.スクエニの関わり方

本項はただの推測です。

『FF15』のスマホゲームとしてはすでに「新たなる王国」というものがあります。
調べても分からなかったんですがこれも平行世界なんですかね?
私はWin版から入ったので、情報も追っておらずプレイもしてませんが、スクエニの関わり方はこれと同じになると思います。

2016/11/08「新たなる王国」の初報にてMZ社とのパートナーシップ契約が発表されました。
『FF』シリーズ最新作『ファイナルファンタジーXV』を題材としたMMOが開発決定!

この中で松田社長は「安心して『ファイナルファンタジーVX』(のモバイルゲーム)を預けることが出来ます」と発言されています。
「預ける」はつまりIP貸出のライセンス契約で、『FF15』の世界観やキャラを使わせて開発は全てお任せするということですね。さすがに多少の監修はしているはずですが、『FF15』の開発陣ががっつり関わってるということはなさそうです。

スマホ版『FF15』もスクエニも共同と記載されてますが、「新たなる王国」と同じように基本はライセンス契約で開発は丸投げかつ多少の監修という関わり方でしょう。

ちなみに、「新たなる王国」の評判はあまりよくないようですが、売り上げとしては結構あり、2017/9月のリリース1ヶ月で2000万DLと発表されてます。
『FF15:新たなる王国』開発のトップに訊く、世界から見る昨今の日本スマホゲーム市場とは?

また、ここでアプリ毎のセルラン(国内売上)を見ることができ、2018年は平均30位前後で毎月5億以上売り上げています。
2019/7月以降は平均100位以下となりましたが、それでも毎月2億以上の売上で2019年間ランキングではFF関連アプリの中では一番(56位)です。
平均300~500位あたりがサービス終了目安らしいのでまだまだ続くでしょう。

取り分としては「スクエニ3:開発会社7」が妥当なところですが、スクエニとしては開発費かけずに何もしなくても収入が入ってくるおいしいビジネスというわけです。

どちらから企画を持ち掛けたのかというのは気になるところですが、「新たなる王国」は『FF15』展開中だったのでスクエニから声掛けしたような気がします。
逆に、DLCを開発中止した状況でスクエニから企画を持ち込むとは考えにくいので、スマホ版『FF15』はおそらく中国側からライセンス契約を持ち掛けた形でしょう。中国向けにしか発表していないというのも辻褄が合いますしね。
あと、中国はPUBG→『荒野行動』やゼルダBOTY→『原神』のように平気でパク真似してくるので、真似して稼がれるくらいならライセンス契約した方がマシというのもあります。

[20/1/9追記]
初報が2017年だったのでどちらから企画を持ち掛けたか微妙になりました。
どうせやるなら世界展開できる企業に声掛けした方がいいに決まってますが、若く特殊で巨大な中国ゲーム市場での将来の展開のために本編の販売を担当していた東方明珠にスクエニからお願いしたのかもしれません。
まあどちらにせよ開発を丸投げしてたおかげでDLC開発中止でもこちらの開発は継続しているので結果的には良かったと思います。

3.日本での展開見込み

日本展開を予測するのにいい題材がありました。『FF零式』(以下、零式)です。
結論から言うと絶望的ですが。。

私がゲーム離れしていた時期だったこともあり、『零式』は未プレイ(いつかやりたい)なのですがスマホ向けにオンライン化されていました。
『ファイナルファンタジー零式』と世界設定を同じくする『ファイナルファンタジー アギト』、田畑プロデューサーに直撃

さらに、『アギト』のCS移植版として『アギトプラス』も発表されています。
『ファイナルファンタジー アギト』を進化させたPS Vita版が2015年1月15日に配信開始! 特典を同梱したパッケージ版も同日に発売

結構面白そうに見えるのですが、『アギト』は2014/5/15に配信開始されたのち、2015/11/30で残念ながらサービス終了してしまいました。
『ファイナルファンタジー アギト』が11月30日をもってサービス終了、新生『FFアギト』の開発へシフト

また、『アギトプラス』は「技術的な問題」(方便?)により開発中止となり、代わりに『零式ONLINE』が発表されました。こちらは中国開発で、2016春に日本でもサービス開始予定でした。
「ファイナルファンタジー零式 ONLINE」2016年春サービス開始

まとめると以下のような流れです。
PSP『零式』→スマホ『アギト』(サ終)→Vita『アギトプラス』(開発中止)→スマホ『零式ONLINE』(中国)
開発中止となったこと含めて『FF15』とそっくりですね。
世界観を共有してるのも中国開発であることも今回のスマホ版『FF15』と同じです。

それで、結果的に『零式ONLINE』の日本展開は現時点でも配信未定国内ホームページは存在するものの告知トレーラーだけが放置されてます。

一方、開発元の中国においては結構売れてるんですね。しかも2016/12時点でセルラン5位!(『最終幻想覚醒』は中国版タイトル)
スクウェア・エニックス、スマホ向け「最終幻想 覚醒」が200万ダウンロードを突破

さらに、2017/10から韓国でも展開していてこちらは事前登録80万です。
Type-0-Based Mobile Game Final Fantasy Awakening Launches in Korea with 800,000 Pre-registrations

そして、今現在どうなってるのかというと2019/12時点でもサービスは継続しているようです。

FF零式オンラインの発表から早5年…もう、チン棒たまりませんで、迂闊にも中国版【最終幻想覚醒】をダウンロードしてしまいました。キャラが全員日本語で喋りました。冷静キャラ設定にしたのにぶっ飛んだ発言してました。クラサメ隊長は漢字表記が暮雨らしいことが判明しました。現場からは以上です。 pic.twitter.com/DyJGyb63wC

— ハカタ屋 (@miyueeee4444) December 14, 2019

終了していないということはそれなりに売り上げが継続してるということです。
なぜ日本展開しないのかについてはこちらに気になる文言がありました。
「日本におけるパブリッシング権を持っておらず,コメントできる立場にはない」
つまり、スクエニが国内向けサービスを何らかの理由で止めているということです。
やらない理由はない気がしますが、無理やりこじつけるなら既に国内向けのFFアプリは複数あるので食い合いを避けてるというところでしょうか。

国内向けに発表しておきながら『零式ONLINE』の配信をしていないことから、発表すらしていないスマホ版『FF15』の日本展開は現時点では0%と言っていいくらい絶望的です。
中国で爆発的に売れればスクエニも乗り気になるかもしれません。

一応、プレイする方法はあるようなので中国でサービス開始されたら私は手を出してみるかもしれません。

4.平行世界について

スマホ版『FF15』に対する反応は私が見た範囲では否定的なものが多いです。
「新たなる王国」の前例や画像にプロンプトがいないことからキャラ設定をないがしろにされそうということで理解できます。

ただ、平行世界というのは非常にいいやり方で、こういうのをスクエニ開発でCS向けに本気で取り組んでもらたらなと個人的に考えていたものでした。
というのも、以前どこかに書きましたがFF13シリーズのように続編を出せば本編の半分程度の売り上げが見込めます。『アギトプラス』も出ていれば『零式』の半分くらい売り上げたでしょう。

『FF15-2』という形になるとノクト不在の世界or小説の続きの平和な世界になってしまうので作りづらいところがありましたが、今回のように平行世界として、『FF15』を流用して安い開発費で誰も死なせない王道シナリオの『FF15』アナザー(平行世界)を発売して400万程度売れればかなりの利益になります。ボイス収録は大変そうですが。
もちろん、その際には本編で不評だった箇所の見直しも行うとベターです。

元々、『FF15』は3部作予定の『ヴェルサス13』から変更した経緯があり、ヴェルサスの要素を残しつつ圧縮と見直しをしたせいで描きたい物語に対して開発期間が足りず描写不足の印象でした。
平行世界では、『FF15』をベースに開発規模に合わせたシナリオを構築すれば描写不足とはなりにくいです。

さらに、平行世界であれば開発中止となったDLCも盛り込めます。そういうシナリオになるよう構築すればいいだけです。
DLCだと500~1000円で装着率5~10%程度に対して、フルプライスで400万本売る方が圧倒的に稼げるのでビジネス的にかなりアリだと思います。

というわけで、中国開発のシナリオがどういうものになるのかは測りかねますが、個人的な希望としてはスマホ版『FF15』の中国でのヒット→日本展開やDLC復活ではなく、スクエニ開発でCS化してくれたらいいなと考えてます。
とはいえ今でもレベルエディタは待ち続けてますよ!
ー2020/1/8

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