先日ようやく『君の名は。』を見てきました。
『秒速5センチメートル』を見て以来新海作品ファンなのですが、上映開始から1ヶ月以上も経ってしまってしまいました。。
まあ上映終了間際の方が人少ないし、いい席で見れるからと言い訳しておきます。
2日続けて見てきたので新海ファンとしては及第点でしょう笑

感想としては本当に素晴らしい映画でした。私の中で『秒速』を超えました!
良い点を箇条書きでまとめると、

・作画、風景描写(言わずもがな)
・キャラデザ(過去作と比べて大衆向けになっている)
・声優(俳優さんが演じてますが全く違和感がない、むしろ上手い)
・ストーリー(ほどよい謎解き感とそれが解けていくカタルシス)
・展開(ダレるところがなくどんどん先が気になる)
・日常描写(新海作品では珍しく結構笑うポイントがある)
・恋愛描写(会いたいのに会えないという王道の描写)
・ハッピーエンド(秒速みたいな終わり方でなくしっかりハッピーエンド)
・曲(RADWINPSの曲が本当にいい曲ばかりで歌詞もハマってる)

といった感じで神作と言ってもいいのではないでしょうか?
言い過ぎとしても数年に一度レベルの名作とは断言できます!

前置きが長くなりましたが、早速自分なりに気になった箇所とその解釈をまとめていきます!
ネタバレ全開で行くので未見の方は回れ右!なるべく物語上の描写順に書いていきます。

冒頭のシーン「朝目が覚めると何故か泣いている」

冒頭のシーンは救われた世界(以後こう表現します)での、出会う前のシーンだったんですね。

初見のときはこのシーンがあったことすら忘れてました。

瀧、三葉ともに「何故か泣いている」のは未だに夢で思い出しているからなのですが、お互いにまだ結びつきあってるんですね。

三葉は宮水家であることと、『君』のおかげで街を救った記憶は事実なので言わずもがな。(それでも入れ替わりの記憶はなくなり『誰か』を探している)

瀧に至っては、救われた世界になったことで完璧に記憶はなくなっているはずなのですが、それについては何故か山奥で一夜を明かした記憶や宮水家とかかわったからということで納得しました。(多少ご都合主義ではありますが)

また、オープニングも2回目に見ると色んな意味が込められてて必見です。

最初の入れ替わりでの三葉

物語では瀧が三葉として起床して、鏡の前で全裸で叫んだところで一回目の入れ替わり描写は終わります。

その間の瀧(三葉)の行動は、翌日の家族やクラスメートの発言からなんとなく読めますが、三葉(瀧)の行動は全く描写がなく気になりました。

物語中で三葉が「他人の人生を見ているような」と言っているので入れ替わりはしていたのでしょうが、瀧の周囲で様子がおかしかったというような描写がなかったので学校生活やバイトはそのときなかったのかもしれません。

学校にも行かずスマホの日記にも気付かず、だらだらと1日過ごしたのかもしれません。
その点、瀧は「お前は誰だ?」と爪痕を残していたのは合理的な男性ならではの表現だと思いました。2回目の入れ替わり以降もノートに色々分析を書いてますね。

ティアマト彗星の軌道

ティアマト彗星が太陽を公転する軌道になっていないという指摘をまとめサイトで見かけました。
注意深く見てみると、彗星軌道は数回描写されますが、冒頭の軌道はしっかりと太陽を公転する軌道になってました。しかし、その後出てくる彗星軌道は太陽を外れた変な位置を公転する軌道になっていて確かにこれは作画ミスだと思います。

細かい点ですが、BD発売時は修正して欲しい所です。

国語の先生

これは2回目に気づきましたが、三葉に国語を教えている先生は『言の葉の庭』の先生ですね!(名前はさすがに忘れてましたが雪野先生らしいです)
教師として復帰されてたんですねー。こういう作品間のつながりは大好きです!

瀧のクラスメイト

ツカサともう一人(名前出ましたっけ?)は友達というのはすぐ分かるんですが、バイト先も一緒だったんですね。後半、瀧が三葉の元を訪れる際に分かりますが、早めに表現してほしかった所です。

時間差に気付かなかった理由

至る所で3年の時間差に気づかないのはおかしいという指摘を見かけますが、これに関しては劇中ではっきりと明言されてます。

「入れ替わってるー!」と叫んだあと、お互いに入れ替わり現象の説明をする際に、「入れ替わりは週に2,3度、記憶は段々と不鮮明になる」と。

まず、入れ替わりの記憶はあくまでも夢として処理されてしまうので、仮に2013年と2016年というカレンダーを見ても夢の中での年月に違和感は感じなくてもおかしくありません。
(私自身夢の中で日付を気にしたことがないです。というか現実を意識したことがありません)

仮に3年の時間差に気付いたとしても、不鮮明になるので時間差に気づかなかったのも頷けます。

入れ替わり後に泣いていた理由

瀧(三葉)がご神体を奉納し、三葉(瀧)が奥寺先輩とデートの約束をした翌日、瀧も三葉も何故か泣いていました。
これには色々な考察があるのですが、私はどちらも三葉の涙だと解釈しました。

奥寺先輩とデートの約束をした夜、瀧と奥寺先輩のデートを想像していつの間にか泣いて寝てしまったのでしょう。
このとき瀧のことが好きという気持ちに気づきますが、夢として記憶は薄れるので起きたときには忘れてしまいます。しかし、三葉本人として起きて鏡の前で再び泣いたときに、好きだという気持ちを思い出し、その日のうちに東京にいる瀧に会いに行ったと。

瀧が記憶がなくなるのを寂しくて泣いたという考察もあり、否定はしないですが、個人的にこの時点での瀧にそこまでの感情はなかったように感じたので、私はこの解釈で納得してます。

瀧はいつ三葉を好きになったのか

これははっきりしないですが、意識し始めたのは奥寺先輩とのデートでの「別の好きな子がいるでしょ?」からだと思います。
直後に三葉に電話を掛けようとしたのは、その気持を話してみて確かめようとしたのではないでしょうか?

そして、入れ替わりがなくなってからはどんどんとその気持が膨らんでいき、実際に会ってその気持を確かめようとしたのかと。
極めつけは3年前に会ったことを思い出したことでしょうね。その時点で完璧に好きになったのでしょう。

入れ替わりの日付

これは、書きながら気づきましたが、入れ替わりは3年後の同じ日に起こってるわけではないんですね。

瀧がデートをした日の日記には、「デートが終わる頃彗星が見える」とあるので、同じ日の3年前の三葉側は夏祭りかと思いましたが、実際三葉は瀧に会いに東京に行ってその夜髪を切り、さらに翌日も学校をサボって、夜夏祭りに出掛けます。

つまり三葉と瀧の入れ替わりは同じ日付に起こっているわけではなかったんですね。

三葉が瀧に会いに行った日に彗星が見えないことで日付のずれに気付いても良さそうですが、そこは夢だからで片付けられます。夢での入れ替わりっていい設定ですね笑

日記が消えた理由

瀧が糸守町を訪れると、スマホの日記が消えていきます。

これはちょっと悩みましたが、おそらく瀧が訪れた時点から、三葉が救われる可能性が高まり救われた世界への移行が始まったのだと解釈しました。

それを言い出したら入れ替わりした時点からだろとなりますがそこはご都合主義ということで汗
実際、瀧が糸守町を訪れて最後に入れ替わったお陰で救われたわけですしね。

瀧が三葉に会おうと思わなかったら三葉は亡くなったままでした。

テッシーが三葉を信じた理由

初見時は、よく瀧(三葉)の話を信じて爆破や電波ジャックしたなと思いましたが、テッシーはオカルト好きという設定があって描写されてたんですね。

オカルト好き&これまでの瀧(三葉)の行動から信じたと解釈しました。
それにしても爆発までするとはよほど三葉を信じていたんですね。

さやかは2人に流されてという感じでしょう。

瀧(三葉)が「そこにいるのか?」と言ったのは?

最後の入れ替わり中、瀧(三葉)は「そこにいるのか」と言って御神体を目指します。

何故わかったのかと思い考えたところ、直前に四つ葉から、前日東京に言ったことを伝えられるんですよね。

それで瀧は3年前に出会っていた事をはっきりと思い出し結びつきが最高に強くなり、三葉の居場所が分かったのかなと思いました。これは難しいので色々解釈できそうです。

瀧が「すきだ」と書いたのは?

これは答えがでませんでした。
ロマンティックだからという感じでしょうか?笑

瀧は直前に3年前に会いに来てくれたことを思い出したので、急激に愛おしく感じてるので言葉にするのが恥ずかしかったとかでもいいかもしれません。

三葉が書こうとしていたのも「すき」だというのを見かけましたが、確かにそうかもしれません。

救われた世界での記憶

カタワレ時が終わり、瀧は記憶が無くなります。
この時点で三葉が救われる世界に移行したからですね。
救われた世界へと移行することで、元の世界での出来事が変わってしまうため瀧の記憶はなくなってしまった。
奥寺先輩も5年後に忘れたと言っているので、瀧周辺の人物の記憶も曖昧になっていると考えられます。

逆に、三葉は「すきだ」が残っていたことや住民を救った事実から誰以外のことはある程度記憶に残っているのではと思います。
おばあちゃんも少女の頃に入れ替わった事自体は覚えていました。

そう考えると、記憶が多めに残っている三葉の方が会えるまで辛かった気がします。会えるまでの年月も瀧より3年多く8年かかってしまいまってます。
最後、本当に会えて良かったと思います。

三葉の父親の行動

三葉の父親がどういう心境で避難指示を出したのか?
これは他サイトのネタバレを読んでしまいました汗
小説版のAnother sideに記載されてるそうなので今度読みたいと思います。

何故、瀧と入れ替わったのか

最後に、何故入れ替わった相手が瀧だったのか?
これは三葉が3年前の瀧に組紐を渡したからだと思いました。
いやいや、入れ替わったから三葉は瀧に会いに行ったのでは?という指摘がいっぱりありそうですが、これはタイムリープ物のお約束で卵が先が鶏が先かに近い議論だと自分で納得してます。
三葉にとっては3年先の瀧と入れ替わりしてるわけですが、それは現在の三葉自身が瀧に組紐を渡した結果起こった出来事なのだと。

つまり三葉が瀧を選んだというわけです。
瀧を選んだ理由は、元々不思議なチカラを持っている宮水家の家系であったことからというのもありますが、三葉が好きになる&三葉を好きになってくれて、糸守を救うために頑張ってくれる人=正義感の強い瀧という運命があったのかなーと思ってます。

あとは三葉好みのイケメンだったということも理由の一つですね。(日記にイケメンと書かれてます)

そして組紐を持っているからこを2人は結びつき、入れ替わりという現象が起こったのではないかと。

瀧が三葉に組紐を返してしまったことで結びつきが弱くなって記憶が限りなく薄くなったとも考えられますね。
組紐を返さずに救われた世界に移行したらどうなったのか?ちょっと気になる所です。

以上です。
書き出したら止まらないくらい長くなってしまいました汗

他にも宮水家の歴史とか裏設定もあるみたいですね。
それくらい魅力的で素晴らしい作品です!

ジブリの興収超えたことを新海監督は謙遜されてましたが、ジブリ超えも納得ですね。
また、これは現役高校生や学生ならドハマリしてもおかしくないですね。

大多数が見てるので今更オススメする必要はないかもしれませんが、是非複数回劇場に足を運び、BD/DVDが発売されたら買いましょう。
売れまくったら1クールアニメとかになって補完されるかもしれません。
-2016/10/10

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