今回もゲームに関する記事ですが映画カテゴリです。

半年くらい前からBGM代わりにyoutubeで色々見始めたのですが、つい最近、ゲームの全イベントシーンをまとめた動画というものを見つけてしまいました。
未プレイゲームであればさすがに見るのはためらってしまうのですが、既にクリアした『FF10』(FFX、FINAL FANTASY X、ファイナルファンタジー10)ならいいだろうと軽い感じで見始めたところこれがもう号泣。

最初数時間(ちなみに8時間の動画)はそれこそBGMとして見てすらいなかったのですが、後半から終盤にかけては名シーンの連続でほぼ映画として見入ってしまいました。
いやー、プレイ当時も泣いたんですが、一気見したことと年齢を重ねたこともあり当時よりも泣けました。しかも当時より泣けるシーンが多く感じました。
私の知る限り泣けるゲームとしてNo.1ですね。

それで、見終わってから『FF10』が『君の名は。』に匹敵する作品だということに気づきました。
私にとってのNo.1作品同士、以前書いた『君の名は。』レビューと対比してまとめてみようと思います。

ネタバレしまくってるので未プレイ未視聴者はご注意を。

美麗なグラフィックにより描かれた異世界

『君の名は。』では現実を凌駕する作画に魅了されましたが、『FF10』はファンタジーとしては珍しい東南アジアをイメージした世界が美麗なグラフィックで描かれています。
もちろん最近の作品と比べると見劣りしてしまいますが、それでも物語を堪能するには十分美しく、さらに、ムービーシーンのCGは最近のものと比較しても見劣りしないほど綺麗です。

新人声優とは思えない演技力

『FF10』はFFシリーズとして初めてボイスが導入されました。
初めてのフルボイスなのに当時違和感なくプレイできたのは声優さんの演技が素晴らしかったことがやはり大きいです。
もちろんみんな上手いのですが、特に主人公ティーダの声優・森田成一さんは、この『FF10』が初声優作品だったそうです。
序盤はチャラそうな雰囲気を出しつつ、中盤から終盤にかけての感情のこもった演技は新人とは思えないほど神がかっていて、これがなければこんなに感動することはなかったと思います。
また、おそらくシナリオだけなら『FF10』以上のものはあるでしょうが(SFC時代とか)、やはりフルボイスだからこんなに心動かされるのでしょう。

魅力的なキャラクター

これは言うまでもないですね。もちろん『FF10』のキャラクターは外れがないほどいいですが、そもそもFFシリーズは魅力的なキャラクターが多いです。
個人的には、ジェクトやアーロンなどのおっさんキャラが好きですね。
アーロンの見せ場のシーンはクソかっこいいので是非見てもらいたいところ。
また、表現力が上がったことでイベントシーンでキャラクターの表情から感情が分かるようになったのもポイント。

聴くだけで泣けてくる神BGM

これも『君の名は。』と同じくBGMが良すぎる。
オープニングの「ザナルカンドにて」、こちらはエンディングでもアレンジ版が流れていてFF10の顔となっている曲ですが、儚いストーリーに切ないメロディーがぴったり合いすぎ!
裏話としてこの曲はこのために書かれたものじゃなくて、たまたま以前作った曲を合わせたらぴったり合ったらしいです。
また、テーマ曲の「素敵だね」はユウナの心情が歌詞になっているのですが、流れるシーン(湖の有名なシーンとエンディング)によって歌詞の意味が変わってくるという凄い作りになっています。もちろん曲そのものも素晴らしい!
この2曲は本当に聴くだけで泣きそうになってしまいます。
あとは、オープニングのムービーとラストバトルで流れる「Otherworld」もギターがかっこいい名曲です。

王道のテーマ

最近のゲームはテーマやストーリーが複雑になることが多いですが、『FF10』が扱っているテーマは非常にシンプル。
例えるなら「魔王を倒す」のように、最初から最後まで「シン」という災害を倒す(止める)ということが貫かれています。
それを主軸に、恋愛が描かれていると思いきや、実は親子愛の方が強く描かれているんですね。
少なくとも私はそう感じました。
不器用な愛情しか示せない父親ジェクトとそれを表面的に受け取り大嫌いと言っていた息子ティーダとの最後の掛け合いは必見です。(ティーダがはっきり泣いたシーンはたぶんここだけ)
ただ、『君の名は。』ではテンポの良さも評価していましたが、さすがにRPGだと全体のテンポは悪くなってますね。

感動的なストーリーと構成の上手さ

これは『君の名は。』との直接的な比較はできませんが、簡単にまとめてみます。

●プレイヤー=ティーダ(主人公)とする構成の上手さ
「最後かもしれないだろ?」から始まる謎のオープニングシーンから発展した都市のブリッツボールのエースであるティーダを操作することになり、訳が分からないまま1000年前の世界に飛ばされる。こうすることで、何も知らないティーダと一緒にプレイヤーも世界を知っていくという構成が上手い。もちろんこういう作品はいくつもあるとは思いますが、ザナルカンド到達時は鳥肌が立ちました。

●シンを倒す意味の変化
テーマにも書いた通り、最後まで一貫してシンを倒すのが目的ですが、その意味(代償)がストーリー進行でどんどん変わっていきます。プレイヤー(ティーダ)視点で描きだすと、

1.シンを倒す→キーリカに大破壊をもたらした元凶を止める。
2.シンを倒す→シンは父親ジェクト!?つまり父親を倒すということに。
3.シンを倒す→シンは究極召喚と引き換えに倒せるが、究極召喚をするとユウナが死ぬ。
4.シンを倒す→シンは倒すが、絶対にユウナは死なせない!
5.シンを倒す→ユウナを死なせずにシンを倒す方法は分かった。が、自分(ティーダ)が消える。

特に3と5の代償は衝撃的かつ大きな感動要素となっています。

●ティーダが何も知らないことを踏まえた伏線の数々
上記にも書いた通り、ユウナにとっては死への旅なので、その覚悟を示す伏線のようなシーンがいくつもあります。
ティーダは(プレイヤーも)それを知らないので早くザナルカンドへ行こうとかシンを倒したあとのことを話すのですが、ユウナが死ぬと知った時にいろんなことが繋がり、ティーダが過去の発言を悔いるシーンは涙なしで見られません。
このあとの、全てを知った後のマカラーニャ湖のシーンもユウナの思いが分かって号泣です。

●少しずつ判明するジェクトの愛情
ティーダ視点では序盤はただの嫌な父親ジェクトですが、物語を進めるにつれてジェクトがティーダに対して深い愛情を持っていたことが分かります。ティーダよりも訳が分からない状況で異世界に放り出されたのに、それでも息子を思い続け究極召喚になる=シンになることを決意したジェクト。
シンになってもティーダに倒されるのを夢見てティーダを迎えに行ったジェクトの思いと、全てを知ったティーダの思いを考えながら最後の会話を見ると、少ない言葉の端々に親子の愛情が垣間見えます。
余談ですが、『FF10-0』としてジェクト、アーロン、ブラスカの旅をプレイしたいですね。

こんなところです。
こうしてみると、本当にいろんな要素が『君の名は。』に匹敵しています。
『君の名は。』に感動した人は是非『FF10』を再度プレイ、もしくは視聴してみてください。
(動画を紹介するのは著作権的に問題があるかもしれないのでリンクは控えておきます)
-2018/2/19

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