今回は『ニーア オートマタ(NieR:Automata)』の考察です。
と言ってもストーリーに関して考察できるほど深くまで理解できてないですし、設定資料集や舞台なんかも見てないので、ディレクター自身が「最後の秘密」と呼んだゲーム仕様に関する考察です。
一応、自分なりの結論は出してみましたが「なんだそんなことか」という感じなので違う可能性はかなり高いです。
※少しネタバレあるので未プレイの方はご注意ください。
[21/1/5追記]
ついに「最後の秘密」が明らかになったため6項に追記しました。
[22/10/6追記]
話題になった謎の扉について導入方法などまとめました。
関連記事:『NieR:Automata』謎の扉から「教会MOD」のその先へ 管理MOD「NAMH」による導入手順
1.「最後の秘密」とは
そもそも「最後の秘密」をご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
私も小ネタ等を調べているときに知ったのですが、『ニーア オートマタ』発売1周年記念としてファミ通2018年3月22日号(2018年3月8日発売)に掲載された座談会にてその存在が明かされました。
『NieR:Automata』に誰も気づいていない最後の秘密が!? 発売1周年記念特集【先出し週刊ファミ通】
以下、ファミ通様より引用させて頂きます。
Q この世に出ていないニーアのネタはありますか?
田浦 『オプション画面に入らなくてもR3+方向キーでカメラ距離変更』
ヨコオ 『それを使うとカメラバグが起きるので注意。審議の結果それもニーアらしいと残した』
ヨコオ 『あれはまだ見つかってないんだっけ?』
根岸 『まだ見つかっていないし絶対にやばいので公表していない』
ヨコオ 『ちょっといろんな事情があってその仕様が入っているがいまだにばれていない』
ヨコオ 『詳しく言うと問題が起きそうなのでニーア:オートマタの最後の秘密ということで・・・。』
ファミ通2018年3月22日号(2018年3月8日発売)より
読めば分かるとおり、隠しコマンドや隠しイベント、隠しアイテムのような何かを敢えて隠したようなものではなく、ニーア特有の仕様により発生してしまういわゆるバグのようなものですね。
ちなみに、まとめサイト等で全裸バグを期待する書き込みがありましたが、ゲーム内に全裸モデルがあればとっくに見つかってMOD化されてるはずなので、全裸バグではないことは断言できます。
2.『ニーア オートマタ』特有の仕様
「ニーアらしいと残した」「いろんな事情があって」発言から、「最後の秘密」は「ニーアらしい」から残した仕様であり、逆に考えると見つかるとやばい仕様(またはバグ)を解消するためには、「ニーアらしさ」がなくなってしまうために残したものと想像できます。
というわけで、「ニーアらしさ=ヨコオらしさ」でもある『ニーア オートマタ』特有の仕様をざっと挙げてみましょう。
●シューティング要素
●ハッキング要素(敵ロボット操縦)
●イベントシーン以外は全てのアクションが可能
●会話可能なロボットへの攻撃
●難易度EASYでのオート操作
●義体システム(オンライン含む)
●自爆コマンド
●ポッドを撫でる操作
●着替えモーション
●メニュー画面表示のバグ演出
●ボイスチェンジャー(操作キャラの声)
●オプション設定の録画&再生(1,2周目)
●オートセーブなし
●サブクエスト(時限&フラグ管理)
●周回要素(フラグ管理)
●デバッグモード
●マルチエンディング
●チャプターセレクト
●ゲーム内通貨によるトロフィー/実績解除
●セーブデータ献上
まだまだありそうですがこんなところですかね。
さらに、これらに関する小ネタは攻略サイト等にまとまっていますが、「まだ見つかっていない」という発言から以下には載ってないものだと想定できます。
以下の小ネタ集自体は知らないことも多く非常に参考になりました。
小ネタ - ニーア オートマタ(NieR:Automata) 攻略Wiki
3.見つかると問題が起きそうなやばい仕様
これが難しいです。
「絶対にやばい」「問題が起きそう」の発言から今後も公表されることは間違いなくないでしょうが、「やばい」にもいろいろ方向性があります。
とはいえ、見つかったらクレームが来るような「ゲーム的なやばさ」だとは思うのでこれも考えられるものをいくつか挙げてみます。
●セーブデータ破壊
●フリーズ(強制終了)
●進行不能
●モデル崩れ(全裸含む)
●壁抜け
●フラグ管理ミス
●エンディングミス
●演出ミス
パッと思いつくのはこんなところで、上に行くほどやばくて基本的にはデバッグやアップデートで取り除かれてると思います。
ちなみに、「2B HOOK」MODを使ってると強制終了、進行不能、モデル崩れ(スカートが伸びる)は発生しました。まあMODによるものは除外ですね。
参考:PC版『NieR:Automata』仲間増殖&切替MOD「2BHOOK」
4.「最後の秘密」考察
以上を踏まえて、結局「最後の秘密」とはなんなのか?
検証要素が多すぎて分からん!!というのが結論です( ̄▽ ̄;)
まあこんな結論だとまとめた意味がないので、私なりの一つの答えは、「Bエンディング中にバンカーで自爆する」なのかなと思いました。
これは、2017/5/15に質問の形で投稿されていました。
ニーアオートマタエンディングについて - YAHOO!ゲーム 攻略・Q&A
通常時は自爆するとピンチになるだけですが、バンカーで自爆した場合は「U」エンドになります。私自身チャプターセレクトで試しましたが、Bエンディング中に自爆すると「B」エンドではなく「U」エンドになりました。
それで、これが「最後の秘密」になりえるのかというのが重要なのですが、一応はなりえると思います。
①「やばい」という観点
私はチャプターセレクトでしたが、例えば初回プレイ中に、ゲームとして用意されたピンチになるだけのアクションを実行すると正規エンディングが強制終了&オートセーブもない最終セーブポイントからラスボス戦含めてやり直しというのは、普通に考えればクレームものです。
あまりセーブせずに進めるような人だったら数時間分の進行が飛ぶかもしれません。
ちなみに、Bエンディング中に「OSを外す」「アジを食べる」も強制終了すると想定されますがこちらはゲーム内で死ぬことが説明されてます。
②「ニーアらしい」という観点
これを回避するためには、「Bエンディング中は自爆を禁止する」「Uエンド条件を変える」など、結構簡単な修正で済むのですが、修正してしまうと「ニーアらしさ」がなくなるためにそのままにしたという辻褄は合います。
③「まだ見つかっていない」という観点
2017/5/15に質問が投稿されてるのでちょっと怪しいですが、攻略サイトや動画等にまとめられていないので、見つかっていないとみなした or 見つけきれなかった可能性があります。
最後はちょっと苦しいですし「ヤバさ」としても弱いですね。。
とはいえ、チャプターセレクトならともかく初回プレイで試した人はほぼいないのではないでしょうか?
たとえ初回プレイで自爆した人がいても、Eエンドまでプレイして「ニーアらしさ」を体感&理解することでクレームにまで至らなかったのだと思います。
5.まとめ
というわけで「Bエンディング中にバンカーで自爆する」は一つの答えだとは思います。
しかし、答えとして物足りないのは事実です。
全編に渡って試す人がいなさそうな「ボイスチェンジャー」なんかは個人的に気になってはいますが、これによるバグが発生するのはあまり想像できませんし検証も大変です。
シナリオや世界観に関する考察サイトはいくつも見かけますが、「最後の秘密」について考察してるサイトは全く見当たらないのでガッツリやり込んでる人に考察してほしいところですね。
私自身は来週にでもサブクエコンプしたらセーブデータ献上しようと思ってるカジュアルゲーマーなので。。
-2018/10/29
6.明らかになった「最後の秘密」
冒頭にも追記した通り、2021/1/3に「最後の秘密」が明らかになりました。
これは複数のメディアにも取り上げられているのでそちらを読んだ方が流れは分かりやすいです。
参考:『ニーア オートマタ』に隠されていた“最後の秘密”が発見される。一気にエンディングへ - AUTOMATON
そして発見者のLance McDonald氏による解説とチートコード再現の動画もアップされています。
『ベヨネッタ2』にも実装されていたらしい「プラチナコマンド」と呼ばれる開発会社プラチナゲームズのロゴ(P+)に沿ったコマンドを入力することでいきなりエンディングに到達することができるとのことです。
具体的には以下の手順。
①最初のボス戦後に9Sが飛び立った直後のタイミングのみ(チャプター01-02_3)
②ドラム缶3つずつに挟まれた空間に行く
③R2を押しながら「↑ ↓ ↑ → ← □ 〇 △ ×」を入力(エリアから動かないようにクイックメニュー表示中でもOK)
④テキストが表示されEエンドクリアと同等の扱いとなりチャプターセレクト、デバッグルーム、トロフィーショップ等が解放される
ボタン表記はPS4準拠なのでそれぞれの機種に対応したものを入力してください。
日本語版やPC版での再現報告は既にあるので全機種で再現可能なはずです。
さて、「最後の秘密」の解説としては以上ですが、一応過去に考察してたのでここでもう一度何故このコマンドが残されたのか考察してみます。
1/3に明らかになった時点では「エンディングを呼び出すだけの隠しコマンド」としか理解していなかったので正直拍子抜けしました。
何故なら「絶対にやばい」のであれば隠しコマンドを無効化すればいいだけだからです。
だから私は「最後の秘密」が隠しコマンドではないと考察していましたし、他の人もそう考えてこれまで見つけられなかったのだと思います。
逆に言えば「隠しコマンド」の類だと想定できていれば解析によりもっと早くに明らかになっていたでしょう。
が、Lance氏の解説動画を見て一応納得することができました。
『ニーア オートマタ』は最後に「セーブデータを削除する」という仕様があるので、このコマンドを入力することによりエンディング呼び出しだけではなくクリア後の状態に戻す救済措置として残してあるんですね。
ヨコオ氏の「いろんな事情があってその仕様が入っている」発言はまさに『ニーア オートマタ』だから残すことになった仕様というわけです。
とはいえ、この隠しコマンドが「絶対にやばくて問題が起きそう」だったのかは個人的には微妙に感じます。
バグでもなくいきなりエンディングを呼び出すコマンドは過去のゲームにも存在していたと思います。最近のゲームでは確かに記憶にないですが救済措置としての存在であれば特にやばくない気はしますがみなさんどうでしょうか?
Twitter等の反応も批判的なコメントは一切見かけてません。
「絶対にやばい」発言のせいで発見が遅れたのではないかとちょっと愚痴っぽくなってしまいましたがこういう隠し要素は大好きなのでゲーム開発者は今後もどんどんやってほしいですね。
あと、プラチナコマンドという存在を知れたので他のプラチナゲームズ製作のゲームでも今後見つかる可能性にも期待したいですね。
ちなみにプラチナコマンドの初出は2013年に発売された『The Wonderful 101』のようです。
参考:謎に包まれた禁断の『隠しコマンド』の秘密 - プラチナゲームズ
-2021/1/5
情報ありがとうございます。 デバッグコマンドは3Dモード用として紹介されていた…