『FF15』(FFXV、FINAL FANTASY XV、ファイナルファンタジー15)WINDOWS EDITIONの戦友(アバター)MODについてです。

本編でもアバターが使えるようになったことで需要が増えてきてることと、個人的にも戦友をやり始めたところなので新記事としました。
実質ど素人がMODを作ってみるシリーズの続きです。
前回記事:PC版『FF15』3Dモデルど素人がMODを作成してみる4

本編用のMODについては抽出からMOD作成まである程度まとまってると思いますが、アバターMODに関してはまた特殊な仕様があります。
すでに先人もいらっしゃいますし、Tsukaさんのブログに詳しくまとまってるので私自身なんとなく分かってるつもりですが、内容が被らないような基本動作をまとめておきたいと思います。以下は本記事の重要リンク。

衣装MOD作成ガイド - ちいさなしあわせ(Tsukaさんのブログ)

Comrades and Avatara female hair mod shadow fix - NEXUSMODS

Clothing bases for multiplayer mods - NEUSMODS

1.サンプルを確認する

まずはMOD ORGANIZER内にあるサンプルで色々動作確認してみます。

1.1 MOD ORGANIZER画面

MOD ORGANIZERにて衣装→マルチプレイから各部位の衣装MODの項目を作り、プロパティを開いてみます。

本編用MODと同じような画面が開きますが、赤枠のようにモデルA/Bを選択する項目があります。
これが肥満度を表現するもので、モデルA=肥満度0、モデルB=肥満度100のモデルとなっているようです。
また、肥満度が影響を与えるのはTops,Bottoms,Shoes,Gloves,Wear,Faceの衣装となっていて、HairとAccessoryはモデルBの選択項目がありません。

1.2 サンプルモデル

次にサンプルモデルを一通り見てみます。

Face。

左から男性A,B、女性A,BをインポートしX軸方向に動かしてます。以降も同様。
女性の方がデフォルト身長少し高いみたいです。

Tops。

正面からだと男性は肥満度による違いがあまりないですが、女性に比べて下腹が出るような感じです。

Bottoms。

正面からだと違いがほとんどないので少し角度付けました。

Shoes。

足は肥満度による違いはほとんどありません。

Gloves。

これも肥満度による違いはほとんどないですが、腕まで行くとそれなりに差があると思います。あと、女性の方が腕長いようです。

Wear。

サンプルはケニーのフルセット衣装ですね。

AccessoryとHair。

モデルBがないので男性、女性の順です。やはり女性の方が身長と目の位置が高いです。

2.異なる組み合わせでビルドする

これが今回のメインです。用意されたサンプルモデルを部位に合わせてビルドすればちゃんと出来上がるのは分かりきってるので、異なる組み合わせでビルドするとどうなるか検証します。

2.1 異なる部位

まずは、全ての部位に対してアクセサリであるメガネをビルドしてみました(A/Bとも同じモデル)。ビルドは全て成功します。

Hairでビルドしたもの。

髪がなくなります。ただ、画像見ると分かるように頭皮にデフォルトの髪の影(アンビエントオクルージョン)が残るため、髪型次第では黒い影が目立ってしまうようです。
女性の場合は、冒頭にもあるshadow fixを導入すればこの黒い影をなくすことができます。

Faceでビルドしたもの。

顔がなくなりました。顔を作る場合は体との繋ぎ目を意識する必要があります。

Wearでビルドした男性。

見て分かるように初期衣装の下の体も作られてはいますが腰が空洞になってます。また、初期はサンダルを履いていますがそれもなくなってます(少し浮く)。顔、髪、アクセサリ、チャームポイントのボディペイントは残るようです。
Tops,Bottoms,Shoes,Glovesは対応する部位が上画像のようになるだけなので省略。

Wearでビルドした女性。

男性と同様に腰は空洞で、さらに下着相当のものが肌と同化しています。また、肥満度100のデフォルトボディが太ももまで黒いため、太ももに肌色の境目があります。もしかしたら男性にもあるかもしれません。ちなみに、ビルドしたものは色変更できません。

というわけで、戦友(アバター)MODを作る場合は以下を意識する必要があります。
●顔と髪は置き換わる
●衣装はデフォルトボディが残る
●アクセサリは自由
●色の変更はできない

おまけ。アクセサリで別のメガネを選んだところ。

別部位でメガネをビルドしているのでメガネが重なります。つまり、アクセサリを別部位でビルドすればアクセサリを複数装着できるということです。
例えばTopsでビルドすると上裸にアクセサリとなるので(これでもいいと思いますが)、やる場合は影響の少ないGloves部位がおすすめです。
他にも、使い道はなさそうですが顔や髪を衣装としてもビルドできるはずです。

2.2 肥満度反転

次は、肥満度を逆にしてビルドしてみます。つまり、モデルA=肥満度100モデル、モデルB=肥満度0モデルでビルドです。ケニー衣装は体が隠れてしまいそうなので、それ以外を全て逆にしてみました。ビルドは全て成功します。

肥満度0。その他の数値も全て0。

実際は肥満度100のモデルです。女性の方が肥満度の差が大きそうだったので女性アバターで比較してます。頭も小さいせいか結構スリムに見えますね。画像からは見えないですが顔と体の境目に空洞ができてます。

肥満度100。その他の数値は全て0。

実際は肥満度0のモデルです。ビルドした衣装と顔は肥満度が上がるにつれて滑らかに痩せていきました。デフォルトボディは当然太っていくので衣装から体がはみ出しますね。ついでに、肌の色黒くしててMOD(顔)の色は変わらないことも分かると思います。こちらも顔と体の境目に空洞ができてます。

肥満度100。その他の数値も100。

肥満度を逆にビルドしてるのに肥満度以外の数値は上昇に合わせて大きく・太くなりました。これ結構大事なことで、肥満度以外の数値はモデルA/B関係ないということです。
では、どうやってその他の数値で太くなっているかというと、例えばBlenderのポーズモードで適当なボーンを選んで、各軸に拡大するのと同じことをやっているのだと思います。
実際のBlender上ではボーン配下(上腕なら前腕・指先)まで影響がありますが、アバター画面では該当するボーンのみを拡大しているのでしょう。

ボーンの拡大で動く=メッシュに対してウェイトが振られているということなので、適切なウェイトが振られてない場合は、細かな数値調整したときに肌からはみ出したりしそうです。
実際サンプルケニーをビルドして、肥満度100胸の大きさ100にすると胸がはみ出しました。

というわけで、肥満度については以下を意識する必要があります。
●肥満度0=モデルA → 肥満度100=モデルBへ滑らかに変化する
●モデルA/Bは肥満度のみに影響する
●肥満度以外の数値は該当部位のボーン(Tsukaさんのブログに一覧)が拡大する

2.3 異なるモデル

最後に、全く違うモデルをA/Bに選択してビルドしてみます。顔とメガネ、トップスとボトムス、サボテンダーとケニーを組み合わせてみたところ、意外にもビルドは全て成功しました。が、結果的には全て失敗です。

Wearでビルドしたトップスとボトムス(おそらく)。

この画面には私がビルドしたものが三つ並ぶはずだったのですが何故か2つしか表示されず、表示されたものを選択してもモデルとしては何も表示されませんでした。肥満度を変更しても表示されません。
他にもFace部位でビルドしたものもあったのですが、そちらは一つも表示されませんでした。

とはいえ、できないのはなんとなく予想してました(ビルドエラーになると思ってました)。

肥満度変化はおそらく頂点数が全く同じでないと反映されないのだと推測します。ただ、全く同じモデルを回転したり移動したものをビルドしたらどうなるか気になるところではあります。(あとで追加検証するかもしれません)

というわけで、肥満度100対応のモデルBを作る場合は、以下を意識する必要があります。
●モデルAをベースに頂点数を変えずに変形する

モデルBを作るのは大変そうですし、部位毎に太らせることもできるので、私は当面は肥満度0のスリム体形だけ作ることになりそうです。
ー2018/9/12

3.アクセサリを作る

実際に何か作ってみようということで、簡単そうなアクセサリで試してみました。髪も基本は同じです。

既に作っているイフリートをサンプル顔モデルに合わせたところ
特定の髪型&衣装でモデルが崩れてるところ

●イフリートモデルの顔と目の位置をサンプル顔の位置に拡大縮小で合わせる。
●基本的には上記で完成で、不要なものを削除する。
●何故か上画像の髪型を選ぶと破壊部位の角とアクセサリが崩れ、衣装によって崩れ具合が変わる。イグニス衣装と同じく崩れる箇所を「Head」にウェイトを振ることで修正できた。
●ビルド数:1回+1回(修正)
●ワークショップ:Horn of Ifrit (Female Accessory)

頭部のアクセサリなので、サンプル顔に合わせるだけで簡単でした。また、「Head」にウェイトが振られているためか、身長と頭の大きさ変化にもしっかり追従します。
ただ、特定の髪型でモデルが崩れるのはよく分かりません。ボーン構成が違うのだとは思いますが、テストするのが面倒ですね。。
あと、イフリートの髪も作りたかったのですが角の根元に穴が開いてて角なしにできなかったので一旦保留しました。そのうち髪&角セットで作ろうと思います。男性用も。
ー2019/9/15

4.衣装を作る

今度は衣装を作ってみます。デフォルトボディを覆う必要があるので、簡単そうな戦友衣装を抽出してカスタマイズしてみます。

4.2 ボーン(物理)動作確認

「aw60/model_110」から抽出した戦友のイリス衣装。

いつもの場所にボーンのファイルがないので、aw直下の「common」から抽出した「aw.amdl」と「aw.lik」を「aw60.amdl」と「aw60.lik」にリネーム(フォルダ名に合わせる)して「aw60」配下に置くとボーンが表示されました。全てのパーツのボーンがまとまっているようです。

また、戦友衣装のフォルダ体系はサンプルと同じく、0X=顔、1X=デフォルトボディ、2X=トップス、3X=ボトムス、4X=靴、5X=グローブ、6X=フルセット、7X=アクセサリ、9X=髪となっていて、末尾=2が肥満度100モデルとなってます。

抽出した戦友イリス衣装にテクスチャを貼ってフルセット(Wear)としてビルドしてみると、、

上半身は綺麗なもののスカートが固定されてるし、靴からかかとがはみ出してる。

本編では、置き換え先モデルと同じボーン名にすれば物理も動くのに、抽出したボーンそのままのフルセットは動きません。髪は同名ボーンで動かすことができるらしいので、ボーン名を合わせて各部位でビルドすれば動かすことができそうです。(ただ、ボトムスにスカートがないのでスカートは動かせない)
公式のフルセット衣装にするとアクセサリの角も消えたり、上画像でかかとがはみ出していたりと、おそらく公式フルセット衣装は着た時だけ物理(ボーンの動作)が適用され、デフォルトボディもフルセット衣装用に変わっているようです。

4.2 トップスを作る

本当はスカートを作りたかったのですが、せっかくなのでトップスを作ってみます。他の部位も基本は同じです。

「aw60/model_110」と「aw62/model_110」から抽出したイリス衣装をカスタマイズしたところ。

体は「aw10」のデフォルトボディです。冒頭のClothing basesでもいいと思います。

●デフォルトボディの黒地がはみ出さないことを確認するため、デフォルトボディもインポート。
●イリス服のテクスチャは共通。(mmが多数ありリカラー部位を示している様子)
●黒地が見えない範囲で、編集モードでイリス服の頂点(インナー等)を削除する。
●肥満度100モデルも全く同じように削除する。(頂点数を同じにする)
●画像の赤枠の「XXXScale」が肥満度以外の体型調整用ボーンと思われる。
●それぞれをモデルA、モデルBとしてfbxエクスポート。
●ビルド数:1回
●ワークショップ:Iris outfit (Female tops)

ウェイト調整不要で簡単だったので、肥満度にも対応させました。ただ、フード付きトップスがないのでフードは動きません。
ちなみに、本編のイリス衣装は体形もウェイトも違うのでそちらからアバターを作るのは私には無理です。
というか髪とアクセサリ以外は本編モデルを抽出して作るの大変そうですね。。
一通り検証できたと思うので、本記事は一旦完成で基本的に更新もないと思います。
ー2018/9/16

未公開アートを含む本作の設定画のほか、SQUARE ENIX CAFEでのコラボランチョンマット&コースター全イラストを収録。

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