『仁王3』(Nioh3)のレビューです。

70点基準で加減点、「仲間」がいないと-10点、ゲーム媒体ならではの体験重視、テンポや快適性が悪いと減点、ストーリーは採点対象外などのレビュー方針は以下のリンク。
関連記事:ゲームのレビュー方針まとめ

自由度がありながらも緊張感も持ち合わせたオープンフィールドを舞台に、「サムライ」「ニンジャ」2つのバトルスタイルを駆使して手強い妖怪達に挑む

1.概要

戦国死にゲー『仁王』シリーズ6年ぶりの最新作。
作り込まれたオープンフィールド、サムライ・ニンジャをリアルタイムに切り替えるバトルシステム、大量の装備品からビルドを構築するハクスラ、古代から幕末まで時代を行き来して日本の歴史上の人物が多数登場することが特徴。

項目内容備考
発売日2025/2/6
ハードPC/PS5/XboxXS
外部ストアFanatical大抵はSteamより安い
メタスコア
ユーザースコア
86
8.0
PS5版
オープンスコア85
Steamレビュー80%非常に好評
Amaonレビュー★4.6PS5版
ゲームカタログ新作のためなし
平均クリア時間53時間
ストーリーを教えて貰うwiki
スタッフロール(クレジット)人数784人
各スコアは執筆時点のもの

2.購入価格やプレイ記録

『FFオリジン』が2022個人GOTYとなるほどの神ゲーで、『仁王』シリーズがベースになっていると知った。その後、『ワイルドハーツ』『無双オリジンズ』『NINJA GAIDEN 4』に触れ、ハイスピードかつシンプル操作のコエテクアクションが世界一気持ちいいと確信。『仁王3』発表と同時に購入確定していた。
体験版を10時間プレイし、外部ストアFanaticalでシーズンパス込みのデジタルデラックス版を12%オフ13358円で予約購入。

体験版込み約90時間で1周目のコンテンツすべて消化。現在は2周目プレイ中で約150時間。
ちなみに、類似作品と言える『エルデンリング』は素晴らしい出来とは思いつつも、許容できない不便さが大量にあったため神ゲー判定は逃してる。
関連記事:『エルデンリング』クリアレビュー。10年先を行くレベルデザインと無限のカスタマイズ。アクション自体はイマイチ【2024年89点】

3.レビュー

前提として本作は公式にはオープンフィールドと謳われてるが、分かりやすさのためオープンワールド(OW)と書く。ちなみに『エルデンリング』も公式にはオープンフィールド。

新規性、良い点

●ステージ型と融合した新たなオープンワールド表現

本作は『エルデンリング』やその他のオープンワールドとも異なる新たなフィールド表現に成功している。
多くのOWは広大なフィールドを自由に移動できるのに対し、本作は広大ながらも各エリアに複数の出入り口があり、エリア自体が一本道風ステージとして作られている。『エルデンリング』では地下にあったミニダンジョンが全て地上にあるイメージ。もちろんショートカット開通要素や大きなダンジョンもあってその全てがシームレス。

左の地獄も右奥の城もシームレスに一本道風ステージが繋がっている

『エルデンリング』で広大なフィールドから巨大ダンジョンに繋がるのは凄かったが、広大な代わりに何もない場所も結構あり、ダンジョン以外では敵の配置もまばらなので戦わない選択も容易だった。
一方で本作はすべてがステージ型なので、敵とアイテムが高密度で配置され、それによって探索による発見の喜びと緊張感が常に持続する。一般的なOWと比較すると自由度が少ない面はありつつも、フィールドすべてが計算され尽くしたステージになってることが凄い。メトロイドヴァニア的なストーリー進行で得た能力によって行けるエリアもある。
今でも新しいオープンワールド表現ができることに素直に驚いた。

しかもこういうOWが時代を超えて3つもある。とはいえ、一番出来がいいのは最初の戦国時代。平安と幕末も前述したようなフィールドになってはいるものの、落下死するような一本道ステージが多かったり、出入口が1つか2つくらいの場合が多い。一本道で分岐があるシームレスフィールドは『SEKIRO』などでも実現されており、平安と幕末はそれに近いイメージ。それでも到達するまでの自由度はある。

ステージ型のままでよかったという声も見かけるが、個人的には地続きにステージが繋がり、攻略順を自由に選べる体験の方がはるかに楽しい。しかも後述するが、ステージごとにいつでも再プレイすることもできる。
OWとステージ制の良いとこどりという全く新しいフィールド表現となっている。

●選択肢の豊富なハイスピード戦闘

戦闘中に取れる選択肢がめちゃくちゃ多い。これまでやってきたコエテク作品やその他のアクションRPGすべてと比較しても本作が一番多いかもしれない。
基本は弱攻撃と強攻撃の組み合わせによって技が出るいつものコエテクアクション。ガードや方向との組み合わせ、長押し、空中攻撃や空中技もある。きびきびと反応するので動かしていて楽しい

さらにサムライはそれぞれ異なる技を設定できる上中下段、ニンジャは3種の忍術が使え、それぞれで武器種を切り替えることができる。つまり4武器種を切り替えながら様々な技を出せる。加えて妖怪を召喚する陰陽術、強力な守護霊技もある。選択肢が多すぎてすべてを使いこなせないが、色んな戦い方ができることが素晴らしい。

防御面では、サムライはジャストガード、ニンジャはジャスト回避、大技に対してはパリィが可能。掴み技以外は全て敵の目の前で対処することができて気持ちいい。もちろん死にゲーらしいディレイもあるのでちゃんと難しい。一部のボス戦は20回前後死んでいて、倒せたときの達成感は大きかった。サムライだと『SEKIRO』のように戦える

とはいえ、シンプル操作でも若干複雑すぎる感覚はある。そのため今でも『FFオリジン』のアクションの方が好き。(ジャンプさせてほしいが)

●膨大なカスタマイズ要素と意味のある2周目オープンワールド

装備品が9部位ありそれぞれに様々な効果があるのは関連作品と同じ。2周目途中でも基本的にはレベルの高い装備に更新していけば問題ない。最終的には同種の装備による揃え効果を狙えるが、装備に関しては『FFオリジン』のジョブ適正の方がカスタマイズの楽しさは上。

本作ではさらに、ソウルライク的なステ振りのレベルアップ、武器種ごとのスキルツリー、ニンジャサムライごとのスキル、陰陽術、守護霊、恩恵、称号のそれぞれで自分なりに割り振りできるためカスタマイズ幅はほぼ無限。項目が多すぎ感はあるもの全く同じビルドになる可能性はほぼない。最終的にどこまで強くなるのかという楽しみがずっと続く。

2周目に入ると敵が強くなるだけでなく、新たなレア度や強敵撃破によるさらなる強化などもあるため、しっかりと2周目に探索する意味がある。ただし、1周目よりは探索の旨味は少なく新鮮味もないため、もう少し探索報酬を用意してほしいところ。サムライニンジャの武器スキルポイントが全然足りないのでそれを配置してほしかった。

●ストレスフリーなユーザビリティ

ユーザービリティはほぼ文句なしで文字通りのストレスフリー。『エルデンリング』と比較して列挙する。

・レベルアップのステ振り直しがいつでも無制限にできる(その他の強化要素もほとんどリセット可)
・レベルアップに必要な経験値が溜まったら色が変わって分かる
・レベルアップ画面で足りない分の経験値アイテムを一括使用できる
・アイテム自動収集オプションがある
・アイテム自動売却などのオプションがある
・見た目装備できる
・見た目をNPCキャラにできる
・マップに探索済みチェックマークが付く
・一度見たカットシーンのスキップオプションがある(ボス戦で手動スキップ不要)
・ボス戦で死んだ場合、ボスエリアに入るだけで経験値回収(道中で死ぬとそこまで到達できるかという緊張感はあるが、ボス戦での回収はめんどくさいだけで面白さにつながってない)
・ステージ再挑戦機能がある(周回不要でボスと再戦できる)
・サブミッションにボス連戦がある(何度も挑める)
・クエストログがある
・カットシーンを見返せる
・人物図鑑と敵図鑑がある
・プレイログでボス戦ごとに倒された回数など多彩な統計が見れる
・2周目はFTポイント解放済み

フロムに全部やれとは言わないが『エルデンリング』は不親切すぎて神ゲー評価できなかったので、現代的なユーザビリティはもっと実装すべき。

探索によって強化につながるものを見つければチェックされる。もちろん最初はどこにあるか分からない

合わないところ、悪い点

多少の不満点がありわずかに減点対象となる。

●ステータスやスキル振り直しが手間

レベルのステ振りはいつでも振り直しできるものの、他の強化要素では左右を押して振り直せるのに対して、レベルの場合はリセットしないといけない。ステ振りも左右で振り直しでよかった。ユーザビリティが充実してるからこそ逆にレベルのステ振りのめんどくささが際立ってしまっている。

スキルの振り直しについては普通に減点要素。サムライとニンジャの武器種ごとにポイントを使ってスキルを獲得していくのだが、このポイントがクリアしても全然足りないので、武器種を変える場合は毎回リセットが必要となる。本当にめんどくさいし、武器種を気軽に乗り換えにくい
『FFオリジン』のジョブスキルツリーみたいに、専用経験値で永続解放のようなシステムでよかったはず。

●序盤が一番難しい

死にゲー全般に言えるが本作も序盤が難しかった。実際クリア後にボス戦の死亡回数を確認したら、体験版でも戦えるボスの蛇骨婆が一番死んだ回数が多かった。もちろん純粋な強さは後半の方が上だが、『SEKIRO』でも弦一郎、『エルデンリング』でもマルギットが一番苦戦したという感覚がある。
操作慣れやシステム慣れしてないというのも要因だが、一番の要因は「回復回数」が進行に応じて増えるシステムと考える。

回復回数が少ない=一度の戦いで失敗できる回数も少ないということ。逆に回復回数が増えれば何度も失敗できるので相対的に序盤の方が苦戦したという感覚になる。つまり、死にゲーにおいては最初から最後まで回復回数は固定した方がいい
実際『FFオリジン』は最初から最後までポーション5個(道中で拾った場合は一時的に増える)なので、序盤は簡単で、中盤から後半にかけてしっかり難しくなる感覚があった。

ついでに本作は敵が回復薬をドロップしまくるので、道中に回復不足になることがほぼなかった。道中の難易度は死にゲーとして一番簡単と言えるくらい歯応えがなかったので回復ドロップはもう少し絞ってもいいと思う。とはいえ、広いうえに周回もあるので現在の調整でも悪くはない。

4.個人スコア

92点/100(最大94点)

※点数は「Steamおすすめする70点」を基準にレビュー方針に沿って加減点した感覚的なもの。

まず加点によって基本的に満点。
本作では一時的に加入する仲間がいるものの、加入機会が少なくカスタマイズもできない。代わりに他プレイヤーのコピーをほぼいつでも呼べるので最大から-6点。
スキルポイントの振り直しがめんどくさすぎるので-2点とした。

ステージ型のハクスラがオープンワールドと融合することで新たな体験を生み出している。ボス戦は歯応えがありつつ、アクションが気持ちいいので理不尽さも感じない。そしてハクスラとして強化が続くのでほぼ無限に遊べる。今年はずっとプレイすると思う。
これくらいの広いフィールドでジャンプのできる『FFオリジン』の続編も作ってほしい。
-2026/5/10

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