2018/11/8の『FF15』(FFXV、FINAL FANTASY XV、ファイナルファンタジー15)の2周年特別番組にて重大な発表がありました。
この記事を見られるような方は既にご存知でしょうし、まとめ記事も複数あるので内容について詳しく書くつもりはないですが、結構なショックを受けてます。。
このショックを自分なりに納得するために、事の顛末をまとめることにしました。
細かいこと色々書いてますが、ゲーム業界には無縁なのでほとんど想像の話(私の職務経験によるところが大きい)です。
関連記事:中国製スマホ版『FF15』MMORPGの情報整理と考察
1.2周年特別番組
ひとまず動画貼っておきます。
ゲーム内容に関する発表をまとめると、
・追加DLC4つ(シーズンパス2予定)のうち「エピソードアーデン」以外の3つが開発中止
・戦友スタンドアローンはPS4/XBOX版のみ(PC版はMODの共有が難しかったか?)
・戦友は夏、冬のアップデート予定が12月の1回
・FF14とコラボ
・レベルエディタについて言及なし(おそらく中止)
4月発表分の半分ほどが中止になっていて、個人的にレベルエディタ中止がめちゃくちゃショックです。。
ちなみに、DLC中止により「シーズンパス詐欺」というコメント見かけましたが、当初のシーズンパス分はエピソードイグニスまでで完了してるので的外れな批判です。中止になったのはシーズンパス2相当のものですね。
[19/2/23追記]
本記事中にたびたび出てくるレベルエディタがどういうものか知らない方もいらっしゃると思うので動画貼っておきます。
2.開発の時系列
発売後も含めて今回の発表に絡む時系列を整理してみます。
2006年05月 ヴェルサス13発表
2013年03月 開発費用を損失として処理するなど特別損失100億円計上(内訳)
2013年06月 FF15へ変更発表
2016年11月 FF15発売
2017年08月 PC版MODとしてレベルエディタを検討
Final Fantasy XV: Windows Edition May Include a Level Editor
2017年09月 最大4つのDLC含むシーズンパス2を検討
『FFXV』“エピソード イグニス”配信後、すぐ次の展開を始めたい―田畑ディレクターミニインタビュー【TGS2017】
2017年11月 最低3本の追加DLC計画中で一つはアーデンになりそう
「FFXV アクティブ・タイム・レポート 1周年スペシャル」レポート
2018年02月 ポケットエディション(PE版)配信
2018年02月 追加DLCを4つ作ることが決定
『FFXV』は新エピソードを制作! 発売間近の『ロイヤルエディション』と『ウィンドウズエディション』についてキーマンに訊く
2018年03月 PC版発売
2018年03月 Luminous Productions(ルミナスプロダクション)発足
2018年04月 追加DLC4つ、戦友スタンドアローン&夏・冬アプデ、MODツール&レベルエディタ発表
PC版『FFXV』自由にマップやクエストを作れる「レベルエディター」発表、Mod対応は今春予定
2018年06月 MOD ORGANIZER(MOD作成ツール)配信
2018年09月 ポケットエディションHD、各種コラボアプデ配信
2018年11月 DLC開発中止、特別損失37億円、田畑氏退職
時系列まとめると色々想像しやすくなりました。
2017年8~9月頃に「検討」しているのは、制作内容や開発費・期間、売り上げ目標等を資料化して上層部に承認を伺ってる時期です。企業活動である以上、売れる見込みのないものは承認されません。
そして、2018年2月に「決定」してる際には2018年4月発表分は全て承認が下りていたと思われます。最低でもこの1か月前の2018年1月までには全ての承認が下りていたのでしょう。
[19/2/23追記]こちらのインタビュー記事にて承認日は1/31と発言がありました。
それが今回中止となったわけで、承認してわずか1年にも満たないうちに方針転換するとは会社の見込みが甘すぎます。。
ただ、こうやって見てみると「エピソードアーデン」より先に検討されていた「レベルエディタ」はわずかながら望みがあるかもしれません。
が、何の発表もないので期待はしないようにしときます。。
[18/11/9追記]
突っ込みがありそうなので補足しておくと、シーズンパス1相当は売れる見込みがなくても承認されます。本編発売前からのお約束だからです。(売り上げ見込みが立たず規模が縮小されるというのはありえる)
次に、1年間の継続無料アップデートは当初予定されてなかったはずで、これはゲームの不評部分を改善してFFブランド価値を高めるというのが理由の一つだったと思います。
重要なのは、PC版で評価も上がり、ここまでで終わっても良かったのに予定のなかった追加DLCが承認されたという事実です。これは売れる見込みがなければ承認されません。
3.特別損失37億円(開発中止理由)
3.1 特別損失とは
まず特別損失とは、「特別」というくらいなので普通の赤字とは扱いが違います。
普通は開発費(+宣伝費)をかけて発売したゲームの売り上げが開発費を上回れば黒字、下回れば赤字(営業損失)となります。
特別損失は今回のように将来発売して回収予定だったものが中止になったような例外的な場合に発生します。
スクエニ決算資料によると、特別損失の内訳は「同社(=ルミプロ)で開発中のゲームタイトルに係るコンテンツ制作勘定の処分(=FF15の中止分)、無形資産等(=おそらくルミナスエンジン)の減損損失」です。
要は『FF15』に絡む全てを開発中止したことで、今後ルミナスエンジンを使う見込みがなくなったため、「中止分に掛かった開発費(宣伝費)」+「無形固定資産であるルミナスエンジンの減損費用」=37億円ということです。
3.2 FFの開発費
ここからは想像でしかないですが、この37億円という数字が大きすぎるんですよね。
探してみると過去作の開発費(+宣伝費)は以下という情報がありました。(ソースは消えてた)
FF12=4800万ドル
FF13=4000万ドル
そもそものソースが信頼性低いので、簡単のため1ドル=100円換算すると、FFナンバリング1本につき約50億円くらいと想像できます。
つまり37億円はおおよそFFナンバリング一本分に匹敵する数字です。発足からたった半年でここまでの開発費を掛けるのは絶対に不可能です。
『FF15』はヴェルサス引継ぎ&映画等色々展開しているので、開発費(宣伝費)は多く見積もって100億円程度ではないかと思っていてこれは次項の通り回収完了しています。
また、一度は追加DLCの承認が下りたことからも『FF15』としては追加分の開発費回収見込みも十分あったはずです。
つまり、37億円のほとんどは無形資産等=ルミナスエンジンによるものと推測できます。そもそも37億がDLCの開発費だとしたら赤字だろうが予定通り発売して少しでも回収した方がいいですしね。
[19/11/20追記]
公式インタビューにてルミナスエンジンを用いた新規IPを開発中であることが明かされ、ルミナスエンジンの減損損失というのは否定されました。記事はこのままにしておきますが、5項に他に考えられる費用を追記してます。
3.3 ルミナスエンジンの開発投資費
ここで、田畑氏の過去のインタビューによると『FF15』の開発費は初日で回収完了という言葉と、開発投資を回収するためにはゲームの寿命の間に全世界1000万本の販売を達成する必要があるという言葉がありました。
『FF15』の売り上げは海外メインなので平均価格を5000円と仮定して、1本5000円×500万本=初日で250億円程度売り上げてるんですよね。これがそのまま『FF15』開発費に充てられるのかは不明ですが、『FF15』としての開発費回収完了は事実でしょう。(というか経営上の数字で嘘をつくのはリスク高い)
次に、1000万本については質問が「開発投資を回収するためには」となっています。「開発費」(販売するもの)と「開発投資」(販売しないもの)は厳密に別モノです。
ゲームの寿命の間=PC版やPE版、かつセール込みの数字で平均価格3500円と仮定して、1本3500円×1000万本=350億円程度の売り上げが必要という話だとすると、差額の売上100億円が開発投資=ルミナスエンジン分となります。この差額100億円がそのまま充てられるかは同じく不明です。
ルミナスエンジンは本来は色んなゲームで使う予定だったので『FF15』だけで回収する必要はなかったのですが、結果的に『FF15』だけになってしまったので、「開発投資(ルミナスエンジン分)を回収するためには1000万本」という話をしたのでしょう。
一応、2013年の特別損失100億円と上記の売上計算(フェルミ推定)を用いての予測ではありますが、ルミナスエンジンの開発投資費は100億円が妥当なところだと思います。
ちなみに、スクエニにとっては出荷=売り上げなので小売りの販売価格は全く無関係で、発表される出荷本数も虚偽の報告をすれば罪に問われるので信頼できる数字です。
[18/11/9追記]
すいません、「開発投資を回収するためには1000万本」というのは誤りで「目標が1000万本」です。
元の英語ソースが誤って伝播した結果だそうで、以下の記事で明確に否定されてます。
『ファイナルファンタジーXV』ワールドワイドの販売目標本数は1000万本
ただ、ルミナスエンジンの開発投資費の考察は一旦そのままにしておきます。
開発費(販売するもの)と開発投資費(販売しないもの)が別々に積算されるのは当たり前の話で、元は『FF15』以外にも使う予定だったのでルミナスエンジンを使ったそれぞれのゲームで開発費を積算します。
ルミナスエンジンは研究部門で積算する開発投資費なので、田畑氏がその開発投資額を知っていたのかは不明ですが、『FF15』の開発費は間違いなく把握していて初日で回収完了したのはやはり事実でしょう。
その上で、ルミナスエンジン分の回収可否を判断するのは全てを統括している上層部になります。
3.4 なぜ特別損失37億円が計上されたのか
ルミナスエンジンは無形固定資産(固定資産の判別は販売して利益を得るものかどうか)なので、毎年減価償却されていきます。
例えば、開発投資100億円の無形固定資産を取得(完成)した年に一気に計上すると決算がきつくなるので、年割で毎年少しずつ費用に計上するということです。(私もそこまで詳しくはないのですがここで比較的分かりやすく説明されてます)
要は、ルミナスエンジン開発当初はこれを使ったソフト群でルミナスエンジンの毎年の減価償却費を稼ぐ予定だったのが、『FF15』だけになってしまって今後の売り上げ見込みでは無理=開発中止という判断が下されたんですね。
『FF15』自体は今後もセール等で売れるはずなので、その売上見込みを引いた分が37億円程度の減損損失として扱われた、つまり、37億円赤字→中止ではなく、開発中止判断→37億円の損失が発生した(計上された)のです。
それで、本当に回収が無理だったのかという話になると、現状『FF15』単体は黒字(回収済)、ルミナスエンジン含むと赤字(未回収)なのでしょう。最新発表で810万本なので、おそらく『FF15』全体で300億円超えくらいの売り上げだと思います。
ただ、個人的にはレベルエディタの完成度次第で1000万本は狙える数字で黒字化もできると思ってました。(1000万本でも赤字なのかもですが)
さらに、ルミプロでは「ルミナスエンジンを使った新規IP(FF壱式?)」も予定してたはずでこれも含めれば十分黒字化可能だったと思います。
3.5 なぜ開発中止判断が下されたのか
PC版・PE版の売り上げ推移を見ての中止判断なのかもしれませんが、FF13,旧FF14と続いた不評に『FF15』自体も発売延期し、KH3も2019年に延期され、FF7Rに至っては植松氏リークで元々2018年発売だったのに音沙汰なしと、正直ここ最近のスクエニの評価は散々です。
なのにDLC発表からわずか半年での中止発表はさらに信頼を失う悪手と言わざるを得ません。中止の可能性が少しでもあるのなら2018年1月頃の追加DLC等の承認をもっと慎重に下すべき(PC版発売後にすべき)で、見込みが甘すぎるスクエニ上層部の責任です。
すでに、「シーズンパス詐欺」という勘違いによる悪評も発生していて、次の大作KH3のDLCの売り上げにも影響しそうです。
さらに、もっとそもそもの話で、もう一度スクエニ決算資料を見ると、スマホ(ソシャゲ)事業において「前期にサービスを開始したタイトルの多くが想定を下回り」、ルミプロにおいて「事業⽅針の⾒直しを実施し、同社の強みをより⽣かす⼤規模⾼品質ゲーム開発へ集中」とあります。
要約すると、スマホゲームが稼げなくなったからAAA(=おそらくFF7R)へ集中するという風にしか読み取れず『FF15』には全く関係ない話です。(FF15自体が原因ならルミプロのところに「開発中ゲームが想定を下回り」など書けばいい)
わざわざ信頼を失ってまで方針転換するほど、スマホ事業がやばくてFF7Rが遅れているのが原因では?と邪推できてしまいます。。
ここまで多少強引な論理展開もありますがそこまで大外れではないと思います。
[18/11/11追記]
放送直後の公式発表で世界累計840万本突破してました。
もちろんセール効果もありますがそれ込みの1000万本目標なので、未だに毎月10万本以上のペースは悪くなく、むしろいい方だと思うんですけどね。
『FF15』そのものに中止理由はなかったというさらなる後押しです。
4.田畑氏の退職
これも驚きでした。田畑氏の退職理由は本人にしか分からないのですが多少は想像できます。
①クビ
クビでないことは断言できます。スクエニほどの大手であれば、仮に多額の赤字を出したとしても一個人をクビにすることは絶対ないです。あるとしたら部署移動などの左遷ですね。
そもそも今回の特別損失37億円を発生させたのは会社ですし。
②自主退職
こっちが本命でしょう。ディレクター職の思いは想像しかできないですが、自ら発表したものをたった半年(承認から1年)で中止されたら会社についていくのが嫌になります。
また、ルミプロを任された時点では新規IPの開発も約束されていたはずで、今回の中止はその約束を反故にされた形です。
この2点から退職を決意されたと考えるのが自然でしょうね。
[18/11/9追記]
コメントでご指摘頂いたのでもう一つ理由追加で、事実としてDLC中止を阻止できなかったのでその負い目を感じて退職を決意したというのもあります。
[18/12/16追記]
ニコ生のゲーム界隈井戸端会議 #大忘年会2018に田畑氏が出演され、退職の時系列が本人から語られました。
曰く、先に独立(スクエニ退職)が決まり、その後にDLC中止が決まったとのことです。スクエニの齊藤氏も同意されてたので間違いないでしょう。
確かにこれまでのDLCではディレクターを務めておらず引継ぎはできており、子会社社長の立場でディレクションすることはないとはいえこれは予想外でした。
本人としては「やりきったから」とのことでしたが、ユーザーとしてはDLC出し終わるまでは続ける気でいて欲しかったですね。まあ続けたからといってDLC中止は変えられなかったとは思いますが。。
5.中止分の復活見込み
残念ながら今回中止となった3つのDLCが復活する見込みはほぼゼロです。すでに発表した会社の方針を簡単に覆すとなると、それはそれで今度は株主からの信頼を失ってしまいます。
あるとしたら、「エピソードアーデン」と「戦友」が爆売れして(装着率が上がれば売上見込みが増える)、『FF15』としても累計1000万本突破して(継続収入の柱になって)、FF7Rが落ち着いたらもしかしたら・・という所だと思います。
レベルエディタもですが、DLCで追加されるゲストを本編で使うのもかなり楽しみだったんですけどね。。
あーやっぱつれぇわ!!!!
-2018/11/9
[18/11/10追記]
レベルエディタについては署名サイトができてました。
こういう署名の効果には否定的な立場でしたが、今回は私も署名しておきました。
昨日署名した時点で50人未満、追記時点で200人くらいです。
時間がある方はよろしくお願いします。
[18/11/15追記]
PC版についてだけではありますが朗報です!
本日、DLSS対応のPC版公式ベンチマークソフトがアップデートされました。
元々FFナンバリング作品には最新技術を試行&投入するという側面もあり、中止発表以前から最新技術であるDLSS対応とレイトレーシング対応は発表されていました。
特別番組で言及されていないものとして1項ではレベルエディタだけ挙げていましたが、本記事執筆後にこれらの最新技術対応も中止されたのか気になっていて、今回のベンチマークアップデートはPC版についての開発は継続しているということが示された形となります。
あくまで個人的な思いではありますが、レベルエディタの実装可能性が1%から40%まで上がったくらいの朗報です。(正直50%と言いたいくらいですがこれで中止だったらまた落ち込むので・・)
他にも考えようによってはレベルエディタの継続理由は結構挙げることができます。
●『FF15』ユーザーはCS版が圧倒的に多いのでPC版のみに関する発表は最小限(戦友だけ)とした。
●DLCと違ってレベルエディタは本編の売上として見積もっているはずなので回収見込み額が大きい。
●方針転換(中止)の社内告知は普通は四半期毎なので9月末に行われたと考えられる。が、11/15にベンチマークソフトがアップデートされたことからPC版の開発は継続している様子。
●4月発表時点でデモ動画が公開されていることからエピソードアーデンよりも進捗がありそう。
●特別番組の三日前に、steamdbに不明なDLC(レベルエディタではなさそう)が登録されている。
●そもそも中止発表されていない。
こんなところです。期待しすぎるのはよくないですが期待してもいいのではと思います。
ただ、余裕があれば署名の方もお願いします。
[18/12/16追記]
12/13配信の14コラボや戦友アプデに合わせて、PC版本編もDLSS対応しました。
開発中止でベンチマークだけの対応かもと若干不安でしたが、中止発表されていないレイトレーシング対応&レベルエディタに関してはいずれリリースされる可能性が高まりました。
アプデはまとめてリリースした方がコストは安く済むので、次回のエピソードアーデンの時に期待ですね!
[19/2/23追記]
エピソードアーデンが19/3/26に配信、中止となったDLCが小説として19/4/25に発売されることが決まりました。そして、これまでの開発陣の対応を見て私の中でレベルエディタの実装可能性はさらに高まっています。
元々「中止となったDLCは何らかの形で世に出したい」という発言はありましたが、開発側の希望的観測みたいなものだったのでこのまま音沙汰なしという可能性も十分ありました。それでもしっかりと小説を発売するという対応がとられています。
こういう姿勢の開発陣が中止になったものを未だに「中止と発表しない」のは逆に違和感しかありません。また、12/13のFF14コラボ以降、PC版アヴァターラ機能に限定衣装が3つ(サンタ服、武者鎧、ストリートカジュアル)も追加されており、PC版に力が入ってるのも理由の一つです。
個人的な思いではありますが、レベルエディタの実装可能性は80~90%くらいとなってます。
[19/3/29追記]
3/26のATRファイナルで何かしら発表があると思ったのですが、レベルエディタに関してはまたしても言及がありませんでした。。
なぜ「中止」と言ってくれないのでしょうか(´;ω;`)
メディアですら開発中止となった可能性が高そうと憶測での記載しかされてません。
『FF15』開発は一旦終了とのことなのでもうほぼ諦めてますが、二点気になってることがあります。
一つ目はATR中において関係者が「一旦」や「一区切り」という言葉を【意識的に】【敢えて】使ってる点です。
例えば寺田氏の「アップデート及びDLCは一旦は区切り」など、不自然さを感じるほどに使われていて将来的にまだ何かあるのではと勘ぐってしまいます。
3/27付のインタビュー記事でも「【基本的には】ここで終了」というやはり何か含みを感じるものとなってます。
二つ目はレイトレーシング対応です。
レベルエディタはスクエニが発表したものなのでスクエニが中止と判断したのならそれは仕方ないです。
ただ、レイトレーシング対応についてはNVIDIA社の講演で発表されてるんですよね。仮にレイトレーシング対応も中止となるとNVIDIA社にも迷惑がかかるのでスクエニの独断では中止できないはずです。
中止する場合は違約金を支払うことにもなり兼ねず、そうするよりは将来の技術にも繋げるためにレイトレーシング対応の開発は継続しているのではと考えています。
PC版のレイトレーシング対応開発が継続しているのであれば、レベルエディタもわずかながら望みはあるはずと1%程度の期待は持ち続けようと思います。
[19/7/26追記]
前回更新時からちょこちょこと動きがあるのでまとめておきます。
まず、4/25小説版が発売されamazonではゲーム攻略本部門で1位、全ての本でも4位を獲得していました。(とはいえ瞬間最大風速です)
さらに、5月下旬に重版、6/21に電子書籍化もされ、2019年秋に英語版も予定されています。
オリコン等を調べても売上部数については出てこないのですが、おそらく国内は本編売上の1%である15000部(+α)くらいが妥当なところだと思ってます。
小説売上による復活があるとしても、本編の国内売上は世界の2割程度しかないので英語版の売れ行きを見てからの判断になるでしょう。
次に、6/4にFF15のAI本が発売され、7月上旬に重版されています。
こちらは直接は関係なさそうですが、FF15関連書籍は出版社の予想以上に売れるということですね。
あとは、FF14側とのコラボやテラウォーズ側とのコラボも開催されたり、Google Stadia版の配信も発表されてます。さらに、FF15のスマホゲームを中国と共同開発するらしいです。続報もなく国内メディアでは取り上げられてませんが、これらが売れてもDLC復活に繋がる可能性はあります。
最後に、レベルエディタは公式に中止されてないことが確認とれました。経緯としては、「本編を楽しんだ人が買うDLC」と違って、「レベルエディタはそれ自体を目的にPC版本編を購入した人がいる」ことから虚偽・誇大広告の恐れがあると私から助言し、その旨を公式に問い合わせた上での回答だそうです。特にレベルエディタ目的でゲーミングPCも購入した人にとっては死活問題ですので、同じような人は問い合わせ(クレーム)しても問題ないと思います。
但し、あくまでも「検討中」であって、仮にレベルエディタが実装されるとしてもFF7R発売予定の3月以降になりそうです。7Rがいきなり延期不可能な3月と発表された(延期したら2019年度決算が悲惨なことになる)ことからスクエニとしては全てを差し置いて7Rに注力してることが容易に推測できます。
完全に時期を逸した感はありますが、公式に中止が発表されるまでは気長に待ちましょう。
[19/11/20追記]
前回更新時からの動きまとめておきます。
まず、本記事では特損の大部分がルミナスエンジン廃棄損と予想してましたが、ルミナスプロダクションの公式インタビューにより否定されました。
となると内訳が気になるのですが、やはりコンテンツ廃棄損だけで37億円というのは考えにくいです。
一応考えられるのは、特損発表した決算において「19年3月期通期の業績見通しが据え置かれてる」というのを見落としてました。本来配信予定だったDLCが中止されたので普通であればDLCの売上分が下方修正されるはずです。
中止DLC3本×840万本×平均800円×装着率5%=おおよそ10億円程度の売り上げがなくなっても業績が据え置かれてるので、もしかしたらこの10億円が特損に計上されてるのかもしれません。(特損として計上できるのかちょっと怪しいですが)
次に、英語版小説の発売日が2020/6/23に決定しました。日本amazonからも購入できるようです。
正直遅すぎるのが残念です。。基本的に追加コンテンツ系は時間が空くほど売れなくなりますし、間違いなく19/6/23までに追加DLC復活等の発表はありません。発表したらわざわざ翻訳した小説が売れなくなってしまいます。
せめて19年内に発売してほしかったですが、小説の売れ行き次第で動きあるかもなのでちょっと様子見しておきます。
最後に、本日Google Stadiaのサービス開始に併せて『FF15』もローンチされたのですが、突然Stadia版には追加要素「Crazy Challenge」があることが発表されました。
日本語公式ページによるとロイヤル版と同内容らしく、PC版ではなくPS4版+追加要素みたいですが驚きました!これが19/3月ATRでの「一旦」とか「基本的に」の理由かもしれません。
気になるのは追加要素がPC版やPS4版にも来るのかというところですが、残念ながら個人的には来ない、もしくは1年以上あとになると思ってます。
というのも、この追加要素はStadiaを普及したいGoogleから開発費が出てるはずです。
おそらく多くの人が思ってるでしょうがローンチのStadiaラインアップはすでに他機種で発売済みのものばかりで魅力的ではありません。(他機種と同発マルチになってからがStadiaの本番)
スクエニとしてもStadiaに今さら『FF15』を出したところでそんなに売れると思ってるはずがないので、わざわざ開発費をかけて追加要素を入れるメリットがほぼないですし開発費分もおそらくペイできません。
つまり、Googleが開発費を出してStadia独占要素となっている可能性が非常に高いです。独占要素があるならStadiaでまた買おうという人が出てきます。また、Stadia独占だからこそ他機種ユーザーを考慮して本編とは独立したミニゲームになっているということですね。
Stadia自体が日本展開未定(2020年以降)なので我々がプレイする機会はしばらくないですが、日本展開始まったら私も追加要素のためだけに買おうと思いました。
もし時限独占だとしたらPC/PS4では無料アプデではなく有料DLCとして追加要素を配信してほしいですね。文句言われようがDLC復活のために稼げるコンテンツとして使ってほしいです。
6.DLC復活の目安[19/2/23追記]
上にも追記してますが、アメリカ現地時間2/16に行われたアニメイベント「KATSUKON2019」にて「エピソードアーデンプロローグ」が最速上映された直後に日本でも動画が公開されました。
併せて、エピソードアーデンの配信日、中止となったDLCの小説発売も決定してます。
ただ、ゲームとしての『FF15』ファンである私としては中止分のDLCもゲームとしてプレイしたいというのが正直なところです。(小説は買いますが)
DLCとしての復活見込みはほぼゼロではありますが、収益に貢献するほど売れさえすれば将来的に復活する可能性はわずかながらあるはずです。
というわけでどれだけ売れればいいのかざっくりと考察してみます。
6.1 DLC一本の開発費
DLCは本編が気に入った人に追加で買ってもらう(絶対に本編より売れない)という性質上、そこまで開発費を掛けられません。
経営陣も当然それは承知しているので、どんなに高くてもDLC1本5億円以下に抑えられてると思います。5億あればソシャゲが作れるので正直5億は高すぎなくらいで3億円以下が妥当なところでしょう。
ただ、戦友やロイヤルパックは高めの価格設定なのでその分開発費も高いと思われます。
6.2 DLCの装着率
装着率について正式な発表はありませんが便利なサイトがありました。
psnprofiles.com
このサイトにPSアカウントを登録すると、他の人と比較して自分がどれくらいトロフィーを所持しているのか見ることができます。(登録アカウント27万、登録しなくても閲覧可)
上のリンクは「FINAL FANTASY XV」で検索した結果となっていて、各国ごとのDLC装着率が見ることができます。
ちなみに、JP=日本、NA=北米、EU=欧州、CN=中国、AS=アジアだと思われます。
こういうのは大抵サンプル数が2000あれば統計学的にそれなりの信頼度となりますが、19/2月時点でこのサイトで所有者が125000と一番多い北米の装着率を見てみると、
●17/03月 エピソードグラディオラス:約11.9%
●17/06月 エピソードプロンプト:約8.9%
●17/11月 戦友:約8.5%
●17/12月 エピソードイグニス:約6.5%
●18/03月 ロイヤルパック:約2.8%
配信日順ですが順調に右肩下がりとなってますね。。(装着率は国によって異なり日本はもう少し高い)
シーズンパスだと少し安かったり、海外価格も違ったりするので1本400円として、PC版発売前時点で約700万本売れていたそうなので、ひとまず装着率10%で計算すると、
400円×700万本×10%=2.8億円
仮にDLC一つの開発費3億円だとしたら10%でも赤字ですね。。
ただ、感覚的には5%が採算ラインで、時系列としてエピソードイグニス後に追加DLCの承認がされてることから実際はトントンというところだったのでしょう。
しかし、ロイヤルパックの3%以下というのは高めの価格設定とはいえ見過ごすことのできない衝撃的な数字で、これを元にDLC中止が決定されたのかもしれません。
6.3 エピソードアーデンの売り上げ見込み
ここまでの結果から、最低でも装着率5%は超えてくれないとDLC復活はかなり厳しいです。今回からPC版ユーザーが増えてるので同じ5%でも回収見込み額は増えますが、DLC復活するくらいとなると10%は余裕で超えてくれないとダメでしょうね。
エピソードアーデンを買う予定の方は「エピソードアーデンプロローグ」を見ていると思われるので、Youtubeの視聴数(公開開始から約1週間分)をカウントしてみます。
●FFXV公式:32万視聴
●スクエニ公式:24万視聴
●PS公式:15万視聴
●XBOX公式:2.5万視聴
合計73万視聴で、重複視聴も考慮すると多くて40万人くらいが買う可能性があるという感じでしょうか。
公式発表840万本に対して40万人はほぼ5%です。
これでは復活は厳しい。。
装着率が急に増える見込みはほぼないので、こうなるとどうにか本編の所有者が増えて欲しいところです。
レベルエディタが実装されれば1000万超えも現実的なものになると真面目に思っているので、期待して3月を待ちたいと思います。
6.4 小説の売り上げ(おまけ)
出版業界に関しては全くの無知なので考察できませんが、よく言われる印税10%と違ってスクエニ自体に出版部門があるので、スクエニの取り分は結構多いと思います。
また、小説購入者=ほぼ全員が中止されたDLCの潜在購入者と見なしていいので小説が売れまくってもDLC復活に繋がる可能性はあります。
ー2019/2/23
[19/3/29追記]
3/26のATRファイナルにおいて、小説が売れればドラマCD化、アニメ化、ゲーム化の可能性があることが公式に明言されました。もちろん開発陣の希望的観測であることには違いないですが、稼げるコンテンツと認識されれば、企業としてそこに力を入れるというのもまた事実です。
ゲームとしてプレイしたいみなさんは是非小説を買いましょう!
関連記事:“平成のゲーム 最高の1本”に『FF15』がランクインしてた件
関連記事:『FF15』はバッドエンドなのか
情報ありがとうございます。 デバッグコマンドは3Dモード用として紹介されていた…