Steam版『海賊無双3』(ワンピース 海賊無双3、One Piece Pirate Warriors 3、OPPW3)の感想&レビューです。

レビュー方針は以下の通り。

レビュー方針

●ジャンルを問わず一緒に戦う仲間がいないゲームは問答無用で強制的に-10点
⇒個人的な絶対指標であり一人旅だったりレースやパズルや音ゲージャンルなども最大90点となる

●動かす楽しさ、自由度、戦闘システム、成長要素やカスタマイズ性などゲーム媒体ならではの体験を重視

●プレイせずとも動画で見れたり存在しない場合もあるためストーリーの良し悪しは採点対象外(ゲーム媒体という特性を活かしたストーリーならば好みで加点することもある)

●好きなジャンルであるアクションRPG(ライク)は加点

●動かす楽しさが損なわれるので奥行きのない横スクや3Dでもジャンプできない場合は減点

●順序や分岐などプレイヤーによって体験が変わるストーリーであれば加点

●イベント(カットシーン)や戦闘やロードが長い多いなどテンポが悪いと減点

●サブクエ、エンドコンテンツ、ミニゲーム、周回要素などでボリュームがあれば加点(水増しや作業感の強いものはNG)

●苦手な一人称視点は減点(ホラーなら許容)

●世界観、キャラクター、衣装チェンジ、モーション、フィールド、グラフィック、アートデザイン、イベント演出、BGM、SE、エフェクト、物理演算、オブジェクト破壊、ボイス対応、オンライン要素、販売価格などは好みで加点

●装備破壊、所持数や重量制限、空腹度、ダッシュ時スタミナ消費、取り返しのつかない要素などめんどくさいだけの仕様は基本的に減点(ダンジョン攻略や戦闘中のみの難易度の一環になっていれば許容)

●操作性、UI、キーコンフィグなどのアクセシビリティ、チュートリアル、解像度、フレームレート、翻訳品質などはプレイした時期の標準未満であれば減点
⇒総合的な「ユーザビリティ」=「遊びやすさ」であり必然的に古いゲームや小規模タイトルは点数が下がる

●新たな体験に繋がるこれまでにない新規性や革新性や独自性があれば加点

●遊びの幅が拡張されるMODやチートがあれば好みで加点

各項目の加減点に上限はない
⇒ある項目が突出して良かったり悪かったりすればそれに依存した点数となる

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1.概要

ワンピース×無双コラボの『海賊無双』シリーズ3作目。
1000人以上の敵をなぎ倒す無双シリーズ特有のアクションと爽快感に加え、原作の旅立ちからドレスローザまでの物語を追体験できる再現ストーリー、多数のプレイアブルキャラだけでなく人気NPCとも共闘できる「キズナアクション」などが特徴。

項目内容備考
発売日2015/3/26PS4版
ハードPC、PS4/3/Vita、Switch、PC版は海外のみ
外部ストアGameBillet日本からも購入可
メタスコア
ユーザースコア
74
7.6
PS4版
オープンスコア74
Steamレビュー80%非常に好評
Amaonレビュー3.6PS4版
ゲームカタログ良作
平均クリア時間38時間
ストーリーを教えて貰うwikiなし
スタッフロール(クレジット)人数393人
各スコアは執筆時点のもの

2.購入価格やプレイ記録

Steam版『海賊無双3』はおま国タイトルのため日本から購入できないものの、外部ストアGameBilletにてDLC込み完全版を92%オフ4.4ドルで購入した。
元々3か4の体験版をプレイしたことがあり、いつかプレイしたいと思っていたところに『無双オリジンズ』体験版が無双シリーズの当たり前を見直した神ゲー感漂う出来だったため、従来無双との比較も兼ねて『海賊無双3』の購入に至った。

メインストーリーのレジェンドログ22ステージ、ifシチュエーションのドリームログ83ステージ+DLC10ステージを68時間かけてクリア。(バグによるフリーズやり直しで10時間以上はロスしているはず)
レジェンドログは全てのイベントを見るために複数回クリアする必要があったものの不具合の影響もあり全ては消化できてない。また、ドリームログクリア後に解禁される最高難易度ナイトメアログも未プレイ。

無双シリーズのプレイ履歴としては三國無双のどれか、無双OROCHIのどれか、ガンダム無双のどれか、ドラクエヒーローズをやったことがあるくらいでシリーズに対する思い入れは少なくクリアしたタイトルもないかもしれない。

3.レビュー

まともに遊べない致命的な問題の数々

大前提として本作はまともに遊ぶためのハードルが高すぎる。

そもそもSteam版は日本から購入できないため外部ストアで購入するしかないのが一つ目のハードル、ボイスは日本語のみだが日本語テキストがないのが二つ目のハードル。
とはいえ、これらは購入前から分かっていたので減点対象にはしづらい。むしろテキストについては原作の各種用語が英語でどのように翻訳されているのかを知る機会として興味深く楽しめた。

問題は普通にプレイすることすら困難な不具合が複数混在していること。しかも、全てが進行不能に繋がる致命的な不具合となっている。
これらの問題の詳細と対策は別記事にまとめている。
関連記事:おま国Steam版『海賊無双3』を4ドルで買う方法、セーブできない、コントローラー使えない、日本語化、フリーズなどの対策

これだけでおすすめできないレベルであるものの、各種対策により一応クリアすることは可能だったため-40点相当とする。仮にクリアできなければこれだけで-70点レベルだった。

取捨選択の制限がありながらも名場面が再現されたストーリー

本作のレジェンドログ(ストーリーモード)は、原作の膨大な物語をしっかりと追体験できることに驚いた。
ルフィの冒険の始まりからドレスローザ編まで主要なエピソードが網羅されており、ファンならば誰もが喜ぶ名場面がアニメではなく本作の3Dモデルで再現されている。特に感動的な場面は完全再現されておりナミの「助けて」、サンジの「クソお世話になりました」、メリー号との別れのシーンなどは泣きそうになるほど。
また、いくつかのイベントは「ゾロ操作でMr.1を倒す」など原作になぞらえた条件をクリアしないと見れなくなっており、操作できるゲームならではの原作再現になっていたのも素晴らしい。

しかし、当然ながら原作の全てをゲームとして網羅するのは到底不可能であり、基本的に1エピソード1ステージで駆け足で語られる。双子岬、ウィスキーピーク、リトルガーデン、デービーバックファイトのエピソードに至っては丸ごとカット。敵対勢力の幹部級もほぼカットされている。
とはいえ、ゲーム媒体という特性のテンポを考慮した上での取捨選択であり、むしろテンポを損なわないギリギリの範囲で最高のピックアップであると思えた。
仮に全てを盛り込めば見ているだけの時間が長くなり、「漫画かアニメでいい」という感想になるはず。未プレイだが『ダイの大冒険』のゲームは原作を盛り込み過ぎた例と思える。

一方、取捨選択についての批判もあったためか、『海賊無双4』においては人気エピソードを複数ステージで濃密に再現する方針となった様子。
おそらく各エピソードの再現度は『海賊無双4』の方が上回っていると思われるが、代償として『海賊無双3』にあるイーストブルー、ドラム王国、空島、スリラーバーク、インペルダウン、魚人島、パンクハザードなどはカットされたらしい。それに伴い関連するキャラとしてエネル、ペローナ、マゼラン、シーザーなども削除された様子。
個人的には仲間の加入シーンの重要度が高く、また空島編が一番好きなエピソードでもあるため『海賊無双3』の方向性に非常に満足しており、『海賊無双4』は見送り判断となる。

原作キャラの特徴を反映したアクションと夢の共闘が可能な仲間システム

本作のバトルシステムは、弱(通常攻撃)と強(範囲攻撃)を組み合わせることで多彩なコンボが繰り出せるという無双シリーズ特有のもの。
プレイアブルが37人もいるが、弱弱強強強で範囲系、弱弱弱強強で突進系、強弱弱弱で掴み系など特性はある程度共通なので違うキャラを使っても戸惑うことなく動かせる。もちろん適当に連打しててもそれなりに気持ちよくプレイできるのはさすがの一言。
他にも1ボタンで発動できるキャラ固有のユニークスキルや必殺技も用意されている。

これらのコンボは原作キャラクターの特徴をしっかりと反映したアクションが再現されており、原作で多数の技が披露されている麦わらの一味やボス級キャラはほぼ全ての技をコンボとして実際に発動できる
技があまり披露されてないハンコックやシャンクスやマルコなどのキャラも技ではなく原作の動きをコンボとして再現してるのは素晴らしい。個人的にはエネルが使えるのが最高だった。

また、本作には絆システム(仲間システム)が導入されており、戦場ごとに決まった仲間と共闘することができる。
仲間は基本的に戦場内を勝手に動き回るものの、共闘中の仲間との絆ゲージを溜めるとコンボの終わりに仲間が登場して追撃してくれる。
これにより、原作ではあり得ない夢の共闘もしくは敵対を実現できる。
例えば、ルフィとエースとサボが共闘したり、エネルが三大将四皇七武海相手に戦ったりといった、ファンならば誰もが夢見るシチュエーションをゲーム内で体験することができる。

さらに、仲間との絆ゲージをMAXまで溜めて「絆ラッシュ」を発動すると、キャラ毎の大技を最大5人まで連携させたド派手で強力な必殺技が放つことができ、現代においてもトップクラスの爽快感を味わえる。
但し、この必殺技演出が少し長くスキップできないのは気になる点。

現代としては見劣りするグラフィックと単調さを感じるステージ構成

本作は2015年にPS3基準で発売されたゲームであるため、現代のゲームと比べるとやはりグラフィック面で見劣りする。キャラクターのモデリングや背景などは古臭さが目立ち、特に描画距離に制限があるのか遠景のオブジェクトが表示されない。画質改善MODにより描画距離を上げると違いが一目で分かる。
関連記事:Steam版『海賊無双3』画質改善MODやチート紹介

デフォルト
画質改善MOD使用

また、ストーリーモードに併せて用意された全22ステージは原作の地理や地形が上手く再現されつつも「ステージ構成」は単調さを感じる。というのも本作は基本的に敵の沸く四角いエリア「ナワバリ」を奪いつつ敵を倒すという進め方になっており、どのステージも複数の「ナワバリ」を通路で繋いだ構成になっており風景以外の違いを感じづらい。
ステージ内に多少の高低差はあるもののジャンプできないために一方通行で不便と感じるだけのものになっていた。ジャンプアクションなどで登れる地形やオブジェクトがあると動かす楽しさがより深まるはず。

その他に、キャラクタースキルの解放条件やUI遷移などが洗練されておらず、無駄にプレイさせられてる感覚を覚える瞬間も多々あった。プレイアブルとNPCで60人以上のキャラがいるため成長要素との兼ね合いや調整が難しい部分も理解はできるが、遊びにくさに繋がっていたため見直しが必要。

4.個人スコア

40点/95

※点数はレビュー方針に沿った感覚的なもの。70点あたりがSteamでおすすめするライン。

ゲーム単体としては古臭さや単調さも目立ち75点といったところだが、原作ファンであり原作再現も素晴らしかったため+5点の80点相当。しかし、進行不能に繋がる大量の不具合により-40点となりおすすめはできない。一応対策はできるため不具合を我慢できるならおすすめである。
なお、仲間システムは非常に楽しめたものの、実際に育てた仲間ではなくそのステージ毎のゲスト的な扱いのため最大は95点。

『無双オリジンズ』との比較のためにプレイしたが予想以上に楽しめて驚いた。原作ファンであったことも大きい。とはいえ、従来無双のままではどう頑張っても80点程度のゲームに落ち着くという感想であり、『無双オリジンズ』で方針転換したのは大正解なので期待している。
『三國無双』シリーズの原作と言える中国の歴史や三国志に大して興味はないのでそこだけが不安要素か。
-2024/12/30

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