2022年に有志による新MODツールが登場し、MODの作り方が根本から変わって簡単になりました。
新MODツールでは抽出や変換ツールも不要で公式テクスチャをそのまま使うことができ、ゲーム中の汚れや石化などのエフェクトも反映されるようになり、Steamワークショップにも投稿できるので是非乗り換えてください。
PC版『FF15』革命的なMOD管理&MOD作成ツール『Flagrum』の使い方
-2022/6/21
『FF15』(FFXV、FINAL FANTASY XV、ファイナルファンタジー15)WINDOWS EDITIONの前回記事の続きです。
以下は関連記事と本記事で使うリンク。
『FF15』内に登場するキャラクター等のモデルデータの格納場所:モデルマップ
8.キャラクター&武器以外の置き換えMOD
MOD ORGANIZERは置き換えできるキャラクターと武器があらかじめ決められてますが、すでにKou153さんが魔導兵や召喚獣を置き換えるMODを公開されています。
意外と簡単にできそうだったので、私もタイタンを別の六神で置き換えてみようかと思ったのですが、また細かく調整するのが面倒なのと、せっかくなので人型以外のモデルとしてなんとなくレガリアを置き換えてみることにしました。
8.1 置き換え先のモデルを探す
レガリアに置き換えるためには、まずレガリアモデルがどこにあるのか知る必要があります。
冒頭のモデルマップには載ってないですが、乗り物=vehicleから予想して「ve」フォルダを探すとレガリアモデルが見つかりました。
ちなみに、いつもの「model」フォルダ直下にgfxbinとgpubinがなかったので、「model」フォルダと同列の「entry」フォルダ内のearcを探すとモデルが見つかりました。(他のモデルも「model」直下にない場合は「entry」や上位フォルダの「common」にあったりする)
Type-Fも置き換えたかったので、他のモデルも調べると、「ve15」がType-F、「ve16」がType-Dのようです。
全部は確認してないですが、「ve01」はシドニーのトレーラー、「ve02」以降が行き交う車、「ve50」番台は列車があったのでおそらくニフルハイムの乗り物、「ve30,40」番台はおそらくオルティシエに出てくる乗り物だと思います。(クルーザーもたぶんここ)
こんな感じで置き換えたいモデルの場所をあらかじめ探しておきます。
8.2 MODの設定を変更
置き換え用モデルの準備より先に、レガリアを置き換えるためのMODの設定を記載しておきます。
まずは、MOD ORGANIZERの新規MOD等でモデルMODの項目を作り、アセットフォルダを開くと「index.ini」というファイルがあります。このiniファイルはinitialize=初期設定ファイルのことで、MOD ORGANIZERに限らず色んなソフトにもよくあるファイルです。
iniファイル自体はただのテキストファイルなのでダブルクリック(開かないときはメモ帳)で開くことができて、置き換えMODの設定が色々書かれてます。MOD ORGANIZERで置き換え先モデルを変更して、都度iniファイルを開いて違いを比較してみると多少理解できると思います。
このiniファイルの内容を書き換えるだけで規定のモデル以外も置き換えることができます。
環境により記載位置等違いがあるかもしれませんが下線部以外は無視してください。以下それぞれの説明です。
赤線:origin_gmdl[X]=置き換え対象のモデルのフォルダとファイルを指定。
一番大事な箇所で、8.1項で探した置き換えたいモデルのフォルダ階層に書き換えればOKです。末尾の.gmdlは共通で、「フォルダ名_モデルナンバー」というファイル名にしてください。「ve00」にはノーマルレガリアモデルが2つあるので(違いは不明)その2つと、「ve15」のType-Fを置き換える設定にしてます。Type-Dは座席が高いので除外しました。置き換え対象モデルが増えたら[ ]内の数値は+1してください。
黄線:count_original_gmdls=置き換え対象のモデルの数を指定。
この例ではレガリアモデルを3つ置き換えるので「3」です。こういう数字は置き換え処理の繰り返し回数として参照されたりするので、例えば2にすると上から2つだけ置き換え、4以上にするとエラーになるかもしれません(試してない)。置き換えモデル数に合わせておけば間違いありません。
青線:type=置き換えモデルのタイプを指定。
ここに入力した文字がMOD ORGANIZERの「タイプ」列と、ゲーム内MODメニューでMOD選択時右下の「タイプ」としても表示されます。必須ではないです。
これでレガリアを置き換える準備完了です。このままビルドすればレガリアを置き換えできます。
全く同じ設定にしてサンプルfbxを試しにビルドしてみるのもいいかもです。
ちなみに、一度赤線部のType-Fのファイル名を間違えたのですが、普通にビルド&ゲームプレイできたので結構緩く作られてます。もちろんこのときType-Fは置き換えできませんでした。
iniファイルを書き換えれば、普通のモデルMODも特定の衣装だけ置き換えたり、NPC等は90以上のモデルを置き換えてるのでそれを減らしたりもできます。
8.3 置き換え用モデル調整
あとはレガリアと置き換えるモデルを準備するだけです。わざわざ作るのも面倒だったので前回までで作ったMODで、仲間外れ感のあったリヴァイアサンをレガリアにすることにしました。
●リヴァイアサンがレガリアの座席に合わない。
⇒車じゃないので仕方ない。胴体が座席と完全に被るくらいのサイズだと大きすぎるので、少し座席と被るくらいの全長15mサイズ(0.01×3倍)にした。
●そのままだとリヴァイアサンの胴体中央が座席になる。
⇒別に構わないがバランスが悪い。Y軸+方向に移動して、後部座席の背もたれがリヴァイアサンの背びれ(?)に合う程度に位置調整した。
●レガリアと同名ボーンがないか確認する。
⇒同名ボーンがあるとゲーム内でレガリアのボーンに合わせてモデルが動くためにモデルが崩れる。ざっと確認した限り、レガリアのボーンは「wheel」や「Wiper」等の車のパーツ名だったので問題なさそう。もし同名ボーンがあってもモデル崩れが発生した場所から探して、リヴァイアサンのボーン名を変えればいい。
●ビルド数:3回(置き換えテスト+位置合わせ+Type-F追加)
●ワークショップ:Leviathan (Regalia & Type-F)
モデルについてはあっさりで申し訳ないですが、キャラクターモデルのように動かす必要がないのでサイズ調整も適当でよくてめちゃくちゃ簡単でした。レガリア探しから置き換えテストやスクショも含めて投稿するまで計3時間くらいで、適当に作った割には空飛ぶリヴァイアサンがかなりハマってくれて大正解です。
逆にレガリアを他の車に置き換えて、しかもちゃんと動くように調整するとなるとめちゃくちゃ大変だと思います。
余談ですが、開発はキャラクター以外も置き換えできるよう狙って作ってますね。
理由は置き換えの設定があまりにも単純&エラーチェックが緩すぎることです。
もしキャラクター&武器以外を置き換えてほしくないならば、簡単なエラーチェックをするだけで防ぐことができます。
魔導兵置き換えMODが公開された後にもMOD ORGANIZERのアップデートはあったのですが、エラーチェックを実装していない=「MODは可能な限り自由を尊重する」の言葉通り、なんでも置き換えることができるようにあえて設計されているということです。
公式が明言していないのは、例えばレガリアを置き換えることができると言ってしまうとMODの素材作りとして説明する必要があり大変だからと推測します。
というかよくよく公式ページを見ると、「動物の場合、足指のスケルトンが必要な場合があります。」とキャラクター以外の置き換えを想定した文言も書かれてますね。
キャラクターモデルは緻密な調整が必要なつれぇわ仕様でしたがこれは開発グッジョブです!
8.4 モデルフォルダ一覧
というわけで公式の素晴らしい対応のおかげでなんでも置き換えることができます!
8.2項のようにiniファイルを変更すれば「character」フォルダ内のモデル全てが対象です。
冒頭のモデルマップは不完全なので、character直下のフォルダだけでも何があるか以下にまとめておきます。(分かった箇所から随時追記予定&英語はただの推測ですがあった方が探しやすいので)
「am」:男性アバター(Avatar Man)(am10にほぼ全裸モデル、末尾2は肥満度100モデル)
「aw」:女性アバター(Avatar Woman)(aw10にほぼ全裸モデル、末尾2は肥満度100モデル)
「bo」:ボス(BOss)
「bp」:ボス小道具(Boss Props、モデルがあまりない)
「common」:共通?
「dp」:マップオブジェクト(〇〇 Props、建物、標識、ビン等があった)
「ds」:リヴァイアサン戦以降のマップオブジェクト(壊れた船、道路、信号機があった)
「ea」:帝国兵器(Empire Arms)
「em」:魔導アーマー(Empire arMour)
「ep」:帝国小道具(Empire Props、旗、倒れた帝国兵、漏れたオイル?があった)
「es」:帝国兵(Empire Soldier、imperialの方がしっくりくるが。。)
「ev」:環境オブジェクト(EnVironment、トルネードモデルだけ)
「ma」:動物(Monster groupA,Animal)
「mb」:魚(Monster groupB)
「mc」:チョコボ&トード(Monster groupC,Chocobo)
「me」:動物系モンスター(Monster groupE,Enemy)
「mf」:シガイ(Monster groupF)
「mp」:
「mw」:
「nh」:主要キャラクター(Normal Human)
「pf」:料理(Props Food)
「pr」:小道具(PRops、redditにまとめられ中)
「px」:追加小道具(Props eXtra)
「sm」:六神(SuMmon)
「uc」:子供NPC(Unique Child)
「um」:男性NPC(Unique Man)
「unclassified」:未分類?
「uw」:女性NPC(Unique Woman)
「ux」:追加男性NPC(Unique eXtra man)
「uy」:追加女性NPC(Unique extra woman、男性と区別するための便宜上の「Y」)
「ve」:乗り物(VEhicle)
「we」:武器(WEapon)
「ws」:六神&歴代王武器(Weapon Summon)
「xg」:エピソードグラディオラス(eXtra Gradiolus)
「xi」:エピソードイグニス(eXtra Ignis)
「xp」:エピソードプロンプト(eXtra Prompto)
ー2018/7/19
9.武器MOD
モデルMODに比べたら簡単とは聞いていたのですが、ようやく武器MOD作ってみました。
9.1 抽出した武器を武器MODにする
まずは、元々武器として存在するデータを武器化してみます。
●「sourceimages」がなくテクスチャがない。
⇒バハムートモデルのテクスチャを使った。
●100倍インポートのゲーム内サイズだと大きすぎる。
⇒サンプルモデルを読み込んで人より少し大きいくらいにした。
●公式で必要とされている「C_Body」というボーンは元から原点に存在していたためそのまま。
●武器種は大剣にしたかったが、以前steamで要望をもらっていたので片手剣にした。
●ビルド数:1回
●ワークショップ:Sword of Bahamut (one hand)
●3つのオブジェクトのマテリアル名がそれぞれ、「wood」「gold」「silver」となっているが、対応するテクスチャが「wood」用しかない。
⇒全てのマテリアル名を「wood」にして同じテクスチャを貼ったが違和感はない。「gold」「silver」は本来はマテリアルで設定するものかもしれない。
●バハムートの剣と同じくサイズが大きすぎるので、人より少し大きいくらいにした。
●「C_Body」というボーンは元から原点に存在していたためそのまま。
●武器種は、ラムウとして作ったプロンプトに持たせたかったため銃にした。
●ビルド数:1回
●ワークショップ:Wand of Ramuh (Gun)
ということで、元が武器のモデルは「C_Body」があるので簡単ですね。お気に入りの武器があれば、抽出してサイズを自由に変更したり、違う武器種に変更したりできます。
ちなみに、チートの武器MODでもほとんど同じことができます。さすがにチートではサイズは変えられませんが武器ステータスや付加効果はチートの方が自由自在です。
9.2 抽出した武器以外のモデルを武器MODにする
9.1項と異なり、今度は武器以外のモデルを武器化してみます。
●とりあえずイフリートモデルから剣以外のオブジェクトを削除。
●サイズは人より大きいくらいに調整。
●元が武器ではないためか、「C_Body」というボーンはない。
⇒サンプル武器モデルを読み込んでArmature以外を削除すればいいと思われる。が、今回は「C_Body」なし(画像赤枠参照)でビルドしてみた。
●武器種は、イフリートとして作ったイグニスに持たせたかったため短剣にした。
●ビルド数:1回
●ワークショップ:Sword of Ifrit (dagger)
ということで、「C_Body」がなくても武器化でき、「C_Body」がない場合は原点が持ち手になるようです。持つ方向はBlender上のY軸「+」から「-」方向になりました。
武器MODは簡単でいいですね。
[19/3/17追記] 武器MODの「C_BODY」はファントムソードのような縦横無尽に動く武器の場合は必要になります。
ちなみに、リヴァイアサンを槍にしたかったのですが、モデルMODと武器MODでは少し仕様が違うようでマテリアルのディフューズカラーが反映されませんでした。これに関してはよく分かりません。
さて、ここまで紹介してきた方法で内部データを使ったMODは一通り作れると思います。
なので、「3Dモデルど素人がMODを作成してみる」シリーズはこれで一旦一区切りです。
本記事をまとめ始めたのは備忘録としての記録はもちろんですが、私自身いろんなMODで遊びたかったので、ど素人でも作れることを示して、たくさんの人にMODを作って欲しいという思いもありました。(最初は作れるとも思ってなかった)
目論見通り(?)ありがたいことにそこそこ参考にして頂いて、MODも増えてるので記事まとめて大正解でした(^^)
ただ、最後まで3Dモデリングの領域には手を出しておらず、今後もやるつもりはないのでモデリングに関しては他のブログ等を参考にしてください。モデリングできる人は尊敬します。
まだまだ作りたいMODはあるので、とりあえず初期のMODを修正しつつ、今後のMODは別記事にまとめる予定です。もちろん新たな情報があれば今までの記事も見直していきます。
ー2018/7/26
ありがとうございます 時間のある時に数値のIncreased value、de…